FXの世界では、「マルチタイムフレーム分析(MTF分析)」を活用することで、より精度の高いトレード判断が可能になります。特に初心者にとっては、上位足と下位足の動きが食い違う場面で「これは逆張り?順張り?」と混乱することも多いでしょう。この記事では、マルチタイムフレーム分析の基本的な考え方と、上位足と下位足のトレンドが異なる局面での戦略について具体的に解説します。
マルチタイムフレーム分析とは?
マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足を組み合わせてトレードの判断材料を増やす分析手法です。一般的には、以下のような3つの時間軸で相場を見ます。
- 上位足(4時間足、日足など):全体のトレンド方向を確認
- 中位足(1時間足など):エントリータイミングの補助
- 下位足(15分足、5分足など):具体的なエントリーポイントの選定
この複数視点を取り入れることで、「大局に逆らわず、好タイミングで入る」ことが可能になります。
上位足が下降トレンド、下位足が上昇のときの考え方
質問にあるような「4時間足が下降トレンド、15分足が上昇トレンド」の場合、それは上位足の調整局面(戻り)であり、下位足では一時的なトレンド転換が起きている状態です。
このとき、下位足の上昇トレンドに乗ってロングでエントリーすることは、戦略としては「逆張り」ではなく、上位足の調整波を狙った押し目買いと解釈することが可能です。
ただし、最終的には上位足に従うというのがMTF分析の原則です。よって、利確は控えめにし、あくまで「短期的な波」に乗る戦略として認識すべきです。
エントリー判断の具体例:逆張りなのか、押し目なのか
たとえば、4時間足で高値・安値を切り下げている下降トレンド中に、価格がフィボナッチ38.2%や50%付近まで戻している局面だとします。その中で、15分足が高値・安値を切り上げる形で上昇トレンドを形成している場合、一時的な買いが狙える可能性があります。
このような場面では、15分足で明確な押し目を確認してからロングし、4時間足の戻り高値付近で利確するという戦略が有効です。これは「トレンドに逆らう」というよりも、「上位足の調整の中で短期的な順張りをする」戦術といえます。
トレード判断のヒント:どこでエグジットするかがカギ
下位足のトレンドを利用する際の最大の注意点は出口戦略です。上位足のトレンド方向に逆らって長く引っ張りすぎると、上位足の戻りが終わって再下落する局面に巻き込まれるリスクがあります。
そのため、「どこまでが調整波なのか」を事前に明確にしておくことが重要です。4時間足のレジスタンスラインや移動平均線、前回高値などを目安に、明確な利確ポイントを設定しておきましょう。
初心者におすすめのMTF分析の進め方
慣れないうちは、以下のような流れで分析を進めると混乱を減らせます。
- 上位足でトレンドの方向(波の全体像)を確認
- 中位足で調整波が形成されているかをチェック
- 下位足でエントリーポイント(押し目・戻り)を探す
- 上位足のトレンド方向に一致していればホールド、逆方向なら短期トレード
この手順を守ることで、「今見ている動きは大きな流れの中で何にあたるのか?」という理解が深まり、無駄なエントリーや持ちすぎを防げます。
まとめ:上位足と下位足の関係性を意識すれば、逆張りではなく順張りになる
マルチタイムフレーム分析において、上位足と下位足のトレンドが違って見える場面は多くあります。重要なのは、それを「逆張り」と見るか「調整局面への順張り」と見るかの視点です。
上位足の構造を正しく理解し、その中で下位足の波を利用できれば、より柔軟かつ戦略的なトレードが可能になります。初心者こそ、MTF分析を取り入れて、相場の「位置感覚」を養っていきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント