NISA・iDeCoの実態から見る「実際にやっている人の割合」──最新データをもとに整理する

資産運用、投資信託、NISA

「自分だけNISAやiDeCoをやっていないのでは…」と感じたことはありませんか?制度上は 「口座を開設している」 人の数は公表されていますが、 実際に「資金を入れて運用している」人の割合となると、見えにくくなっています。本記事では、最新の公開データをもとに、〈口座開設数〉〈運用実施割合〉〈NISAとiDeCoの併用状況〉という3つの観点から、できるだけ明確に現状を整理します。

NISA(少額投資非課税制度)の口座数と成人人口に対する割合

まず、最新の口座数データを見てみましょう。〈2025年3月末時点〉で、NISA口座数は約 **2,647万口座** です。([参照]金融庁「NISAの利用状況」)

この数字を成人人口や投資可能層と比較する際には、18歳以上の人口や実質的な資産形成層の母数が必要になります。例えば、20歳以上・現役世代(18〜64歳)人口などを用いて「口座を開設している人の割合」を算出する試みもありますが、開設=運用開始ではない点に注意が必要です。([参照]MoneyPalette 解説)

開設口座が「実際に運用されている」か?稼働率の見方

口座を開設していても、実際に買付や運用が行われていない例も少なくありません。例えば、制度導入直後の一般NISAでは、開設口座のうち実際の買付があったのは **約45.5%** と報じられています。([参照]ニッセイ基礎研究所報告)

つまり、2,647万口座という数字から「実際に運用している口座数」を推定するには、少なくともこの程度の“稼働率”を掛ける必要があります。仮に稼働率70%と仮定すると、おおよそ1850万口座が実運用中とみることも可能ですが、実際には稼働率の公的統計が限定的であるため、推定にとどまる点を留意ください。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の普及率と併用状況

次に、iDeCoの最新データを確認します。2025年3月末時点で、iDeCo加入者数は **約363万人**。([参照]確定拠出年金統計資料)このとき、公的年金被保険者数に対する加入率は全体で **約5.38%** でした。([参照]りそな年金研究所・個人型DC概況)

ただし、iDeCoとNISAの両方を「実際に運用している」というデータは限定的で、公的統計として併用率が明確に公表されていません。そのため、「NISA+iDeCo併用者の割合を○%」と断言することは現時点では困難です。

具体的な推計:成人投資可能層での割合は?

これまで確認したデータをもとに、ざっくりとした推計を行ってみましょう。

例えば、NISA開設口座2,647万口座を成人人口9,000万人と仮定すると、口座開設率は **約29%**。さらに運用稼働率を仮に60〜70%と見れば、実運用者数(口座数ベース)は **約17〜19%** 程度の規模となる可能性があります。

iDeCo加入率5.38%を成人人口に当てはめると、成人100人中約5人が運用している計算となります。併用についてはデータがないため、「両方で実運用している人」が成人の5%程度であるという推定は、統計上支持されていませんが、可能性としては「数%〜10%未満」の範囲にあると考えられます。

注意点:数字を読み解く際の留意事項

推計数字には以下のような留意点があります。

  • 口座開設=実運用ではない:口座を開設していても、買付を行わず「口座だけ保有」しているケースがあるという調査結果があります。([参照]ニッセイ基礎研究所報告)
  • 対象人口の定義が揺らぎやすい:成人人口、投資可能層、現役世代など、どの人口を母数とするかで割合が大きく変わります。
  • 併用者の統計が不十分:NISAとiDeCoを同時に運用している人に関する公表データが限定的であり、併用率を正確に示すことはできません。

まとめ:実運用者は「成人の10〜20%程度」、併用者は「数%」と考えておくのが現実的

公開データから整理すると、NISAの口座開設率は成人の約3割近くに到達していますが、実際に運用している人はそのうち**約10〜20%程度**と推計されます。そして、iDeCo単体の加入率は成人の約5%程度にとどまっており、NISA+iDeCo併用者は「数%」という水準に落ち着くと考えるのが妥当です。

もちろん、個人の状況(年代・資産・金融リテラシー)によって大きく異なるため、「自分はどうか」という視点で捉えることが重要です。ぜひ、このデータを自分の資産形成の参考にしてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました