株式投資を始めたばかりの方が最初に戸惑うポイントのひとつが、「含み益」と「実現損益」の違いです。特に楽天証券のように画面に複数の指標が表示されていると、「利益が出たと思ったのに実際の儲けが少ない」と感じることもあるでしょう。この記事では、米国株投資でよくある誤解とあわせて、含み益と実益の違いについて初心者にもわかりやすく解説します。
「含み益」とは何か?売る前の理論上の利益
含み益とは、保有している株式が現在の市場価格で売れた場合に得られると想定される利益です。たとえば、1株100ドルで買った株が現在120ドルであれば、1株あたり20ドルの含み益が出ていることになります。
楽天証券などの証券会社では、ホーム画面にこの含み益が表示されることが多く、利益が増えているように見えるのが特徴です。しかし、実際に売却していない限り、この利益は「確定していない」仮想上の数字です。
「実現損益(実益損益)」とは?売却後に確定する利益
一方、実現損益は実際に株を売却した時点で確定する利益です。株を売った後、為替手数料、売買手数料、税金などを差し引いた金額が反映されます。これが実際に「手元に残るお金」であり、資産形成の本当の成果といえます。
たとえば、米国株を取り引きしていて売却益が2万円出ていたとしても、為替差損や手数料などが引かれて、最終的に残る利益が1万1千円になることもあります。
米国株で注意すべき為替レートの影響
楽天証券で米国株を売買した場合、「ドル」で取引しているため、日本円に換算する際には為替レートの影響が出ます。特に、購入時より円高が進んでいた場合、為替差損が発生することもあります。
たとえば、買付時に1ドル=150円、売却時に1ドル=140円になっていた場合、ドルベースで儲かっていても円ベースでは利益が減ってしまうケースがあります。
手数料や税金も実益に大きく影響
米国株には以下のようなコストがかかります:
- 売買手数料(楽天証券では約定金額の0.495%程度)
- 為替手数料(1ドルあたり片道25銭程度)
- 外国税額控除(米国で10%の源泉徴収がある)
これらが利益から差し引かれるため、「思ったより儲かってない」と感じる原因になります。
初心者は「売却前の利益=実益」と誤解しがちですが、こうしたコストを把握することが大切です。
実際の表示と注意点:楽天証券の例
楽天証券では、「ホーム画面」や「保有銘柄一覧」に表示されるのが含み損益、「実現損益」の項目に表示されるのが確定利益です。「売却後の儲けを確認するなら、実現損益欄をチェックするのが正解」です。
また、売却直後はシステム処理の関係で数日遅れて実現損益が反映されることもあるため、取引履歴や月次報告も併せて確認しましょう。
まとめ:数字を見極める力が投資の第一歩
株取引では「見かけの利益」に惑わされず、実際に手元に残る「実益」を意識することが大切です。特に米国株では、為替や手数料などが絡むため、含み益だけで判断するのは危険です。
証券口座の画面表示の意味を正しく理解し、長期的な視点で資産形成を行っていきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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