国民総支出の計算において、政府や民間の消費、投資などの「使われたお金」が含まれていますが、それに加えて経常海外余剰(輸出額−輸入額)という「手に入ったお金」も含まれています。なぜこの経常海外余剰が計算に加えられるのでしょうか?その理由を分かりやすく解説します。
1. 経常収支とは?
経常収支とは、国際的な取引において、国がどれだけ「得たお金」や「使ったお金」があるかを示す指標です。これには、貿易(輸出・輸入)やサービス収支、所得収支などが含まれ、国が他国と行った取引の結果、どれだけの利益を得たのかを示します。
具体的には、輸出した商品が他国で売れて得たお金(収入)や、逆に外国から輸入した商品に支払ったお金(支出)の差額が経常収支となります。この収支は、経済活動における「国際的なお金の流れ」を表しています。
2. 経常収支が国民総支出に含まれる理由
国民総支出を計算する際に経常収支が含まれるのは、経済全体の支出が国際取引を含んでおり、国際貿易で得た利益が国内経済にどう影響を与えるかを反映するためです。例えば、輸出が増えれば、それは国内企業が得た利益となり、その利益がさらに消費や投資に使われ、経済全体に影響を与えます。
そのため、輸出によって得たお金や輸入で支出したお金が国内経済に与える影響を考慮する必要があります。これにより、国民総支出は国内経済の全体的な動きをより正確に反映することができます。
3. 具体的な影響例
例えば、日本が海外に製品を輸出し、得た利益が国内に戻ってくるとします。この利益は企業の売上や、労働者の給与として国内で消費されることが多く、最終的に国内消費や投資を促進する可能性があります。こうした経済活動の広がりを捉えるために、輸出額と輸入額の差が計算に含まれるのです。
また、輸入が増えた場合、それによって支出が増えた分は消費や投資の減少に繋がることが考えられます。このように、経常収支が国民総支出に含まれることで、国内経済全体の健全性を示す重要な指標となります。
4. 経常収支と国内経済の健全性
経常収支の黒字は、輸出が強いことを示し、国内の経済が安定している証拠とされています。一方、経常収支が赤字になると、輸入が過剰で国内の経済が過剰に依存している可能性が高まります。これが長期間続くと、外部からの借金が膨らみ、経済に不安定さをもたらすことがあります。
そのため、経常収支の動きは、国内経済の健全性を示す重要な指標となるわけです。国内経済をより正確に把握するために、経常海外余剰(輸出−輸入)は国民総支出に含まれ、その影響を反映しています。
5. まとめ
経常収支、特に「輸出額−輸入額」の差は、国民総支出に含まれる重要な要素です。これにより、国内経済における「得たお金」がどのように経済活動に影響を与えるのかをより正確に把握できます。経済全体を理解するために、これらの指標をしっかりと理解していくことが重要です。
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