米国債の金利と仕組みを徹底解説:固定金利・変動金利の違いと実際の利払いの流れ

資産運用、投資信託、NISA

投資初心者から経験者まで人気のある資産のひとつが米国債です。特に金利の高い局面ではその注目度が高まりますが、日本の個人向け国債とどう違うのか、特に利払いの仕組みや金利の固定・変動について疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では米国債の基本的な仕組みと具体的な利払いの流れをわかりやすく解説します。

米国債とは?主な種類と特徴

米国債(U.S. Treasury Securities)は、アメリカ合衆国政府が発行する国債で、安全資産として世界中の投資家から高い信頼を得ています。主に以下の3つの種類に分類されます。

  • 米国短期国債(T-Bills):償還期間が1年以内。利子は支払われず、割引価格で購入。
  • 米国中期国債(T-Notes):償還期間が2〜10年。半年ごとに利子支払い。
  • 米国長期国債(T-Bonds):償還期間が20〜30年。半年ごとに利子支払い。

個人投資家がよく購入するのは中期国債(T-Notes)で、利率が固定されているものがほとんどです。

米国債の利払いの仕組み:金利は購入時に固定

米国債(T-NotesやT-Bonds)は、購入時点で決定した利率(クーポン利率)に基づき、半年に一度、定額の利払い(クーポン支払い)が行われます。この利率は満期まで変わることはありません。

例えば、利率4%・残存期間10年の米国債を購入した場合、額面が1,000ドルなら毎年40ドル(半年ごとに20ドル)ずつ利息が受け取れ、10年後に1,000ドルが償還されます。

市場金利と米国債の価格の関係

保有中の利率は変わりませんが、市場金利が変動することで、保有する米国債の市場価格は上下します。たとえば購入後に金利が5%に上昇した場合、あなたの4%の債券は市場では価値が下がるため、途中売却時には元本割れの可能性もあります。

逆に、金利が3%に下がれば、4%の債券は高利回りとして評価され、債券価格は上昇します。償還まで保有すれば、元本は満額返済されますが、途中売却にはこの価格変動リスクが伴います。

固定金利と変動金利の違い:日本国債との比較

日本の個人向け国債には「変動10年」など、利率が半年ごとに見直されるタイプがありますが、米国債の多くは固定金利です。そのため、利払い額は常に一定で将来の収益が予測しやすいというメリットがあります。

一方で、インフレ時など金利上昇局面では、変動金利型の日本国債の方が有利になることもあります。目的や市場環境に応じて選択しましょう。

実際の投資例:個人が米国債を購入した場合

例えば2025年に、利率4.0%、償還期間2035年の米国債を1,000ドル購入したとします。この場合、毎年合計40ドルの利子を10年間にわたって受け取り、2035年には額面の1,000ドルが戻ります。

円建てで考える場合、為替リスクも考慮する必要があります。仮に購入時が1ドル=140円、償還時が1ドル=120円であれば、円ベースの利回りは目減りする可能性があります。

まとめ:米国債は固定利率で安定収益を得られる投資対象

米国債は基本的に固定利率で利払いが行われ、満期まで保有すれば元本が保証される安心感のある投資商品です。市場金利の影響で価格は変動するものの、インカムゲインを重視する長期保有には向いています。特に利率が高めの局面で購入すれば、安定した収益源となるでしょう。

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