投資信託に「複利効果」は存在するのか?仕組みと活用法をわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

投資信託における「複利」という言葉にはさまざまな誤解があります。「複利とは利子が利子を生む仕組み」というのが基本ですが、投資信託にそれがどう関係するのでしょうか?本記事では、投資信託と複利の本質的な関係を明らかにしながら、実際の運用にどう活かせるかを解説します。

そもそも複利とは?

複利とは、投資で得られた利益を再投資することで、利益がさらに利益を生む構造を指します。これは「単利」が元本だけに対して利息がつくのに対し、「複利」では元本+過去の利息にも利息がつくという点で異なります。

例えば、年利5%で100万円を10年間運用した場合、単利では50万円の利益ですが、複利で再投資を続けると約62.9万円の利益になります。

投資信託と複利の関係

投資信託自体には「利息」がつく仕組みはありませんが、分配金を再投資することや、運用益をファンド内に留保することで、結果的に「複利的な効果」が得られます。

特に再投資型の投資信託(分配金を受け取らず自動的に再投資するタイプ)を利用すれば、投資元本が増加し、それに伴い将来の運用益も増えていくため、複利と同様のメリットが得られます。

分配型 vs 再投資型:どちらが複利に向くか?

一般的に複利効果を最大限活かすには「分配金再投資型」の投資信託を選ぶのが有利です。毎月分配型などの定期的に分配金を支払うファンドでは、その都度利益が確定し課税されるため、複利効果が削がれる場合があります。

実例:「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のようなインデックスファンドは、分配金を出さずに内部で再投資を行うため、長期投資で複利効果を発揮しやすいです。

長期・積立投資こそが複利効果を活かす鍵

時間を味方につけて投資を続けることで、複利の力は大きくなります。特に、つみたてNISAのような非課税制度と相性がよく、20年間の運用で複利効果を大きく引き出すことが可能です。

例えば、毎月3万円を年利5%で20年間積立運用した場合、元本720万円に対して運用益が約500万円になり、合計で約1,220万円となります。これは複利の恩恵を受けた結果です。

「基準価額が上がるだけ」と考えるのは早計

確かに投資信託の利益は「基準価額の上昇」によって生まれます。しかし、その価額の裏には、配当の再投資や企業の利益成長など、複利的なプロセスが含まれているのです。

つまり、投資信託の構造そのものが、複利の仕組みを内包していると理解することが大切です。

まとめ:投資信託の複利効果を理解して賢く活用

投資信託には直接的な利子は存在しないものの、分配金の再投資やファンド内部での運用益の積み上げにより、実質的に「複利効果」が働いています。特に、長期投資・積立投資・非課税制度との組み合わせでその効果はさらに高まります。

「複利がない」と思い込まず、仕組みを正しく理解して運用に活かすことで、資産形成のスピードを着実に上げることができるでしょう。

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