SBI証券の信用取引で「買付余力66万円」になる仕組みをやさしく解説

株式

「口座残高約170万円、信用買い108万円=取引可能額約510万円」という認識でいたところ、実際の買付余力が約66万円にしかならない…という疑問を抱えていませんか?本記事では、SBI証券の信用取引における「買付余力」と「信用建余力」の違いや、その内訳・計算のポイントを実例付きでわかりやすく整理します。

「信用建余力」と「買付余力」の違い

まず用語を整理しましょう。信用取引においてよく混同されるのが「信用建余力」と「買付余力」です。SBI証券のヘルプでは、信用建余力について「実質保証金+スイープ専用銀行口座残高を建代金合計で除した割合」などとして定義されています。([参照]信用建余力とは)

一方、買付余力は「各受渡日ごとの商品を買付できる上限金額」だと説明されています。([参照]買付余力の説明)

つまり、信用取引で「○倍まで使える」といっても、それがそのまま「現時点で買付できる額」というわけではなく、建玉(既に建てた信用買い・売り)+現物担保などが影響して“使える余力”が変わってきます。

なぜ「170万×3.3=約510万」では残り282万円買えるわけではないのか

質問例では「口座残高170万円×3.3倍=約510万円」という簡易的な目安から「信用買いを108万円したら残り信用で282万円買えると思った」という認識が示されています。しかし実際には以下のような要因でズレが生じます。

  • 建玉評価額や保有現物株式の時価による担保評価が反映される
  • 信用建取引には必要保証金率があり、単純に元手×3.3=取引可能額にはなりません
  • 「買付余力」はその時点で追加できる買付分であって、理論上の最大建玉可能額ではない

例えば、170万円の現金をそのまま信用取引保証金として使えるわけではなく、現物株や信用建玉の時価評価額、評価損益、最低保証金額、銘柄の取引種類などが総合的に見られます。

実例で確認:質問にあったケースを整理してみる

質問内容を簡略化するとこうです。

・口座残高(現金・残高)170万円
・信用買い建玉108万円(100株)
・理論上の「3.3倍」想定→510万円−108万円=残り282万円信用取引可能と想定

しかし、実際には「買付余力」が約66万円という数字になっていたとのこと。

このギャップが出る典型的な解釈例を示します:
①信用買い108万円建てたことで、保証金として現金・現物株式担保の一部が拘束される。
②信用買い建玉の評価額や時価変動、最低保証金率が関係し、信用建余力が減少。
③その結果、「買付余力=現物の買付+信用新規のために使える余力」が実質的に66万円前後になる。

つまり、“282万円そのまま使える”というのは過大な想定であり、実務上は「建玉・担保・保証金率・余力区分」が影響して、使える金額が大きく低くなることがあります。

よくあるチェックポイントと対策

●担保評価額を確認する
現物株式や投資信託を担保にしている場合、それぞれ銘柄・評価額によって「代価有価証券評価額」として信用建余力にカウントされます。担保価値が低いと余力が減ります。([参照]Yahoo!ファイナンス:信用建余力の仕組み)

●保証金率・建玉評価・損益状況を理解する
建物玉(建てている信用ポジション)が評価損を抱えていると、保証金維持率などにより余力がさらに低くなる可能性があります。

●買付余力=直ちに買える上限額として捉える
買付余力とは「現時点で発注可能な買付金額(各受渡日ごと)」という説明があり、理論上の信用枠全体とは異なります。([参照]買付余力の説明(SBI証券))

まとめ

信用取引において「元手×3.3=取引可能額」と覚えるのは簡易的な目安にはなりますが、実務上は“担保評価・建玉状況・保証金率・買付余力の区分”が複雑に絡んで、思ったほど買付ができないケースが多発します。特に本記事で見たように「買付余力が66万円」といった数字になるのは、建玉や担保評価がすでに余力を減らしているためです。

もし今後も「思ったほど買えない」「余力の数字が見えにくい」と感じるなら、SBI証券の信用取引画面で「信用建余力」「代価有価証券評価額」「建玉別の保証金率」などを確認し、“どの要素が余力を減らしているか”をひとつひとつチェックすることをおすすめします。

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