確定拠出年金(DC)の運用商品選びは、将来の資産形成に大きな影響を与える重要な意思決定です。特に新卒から運用を始める場合、時間という最大の武器を味方につけることができるため、選ぶファンドやアセットクラスが重要になります。本記事では「S&P500一本でいくべきか」「日本株は何割入れるべきか」などの疑問に答える視点を解説します。
運用商品の基本情報を確認
まず、検討されている2つの商品について基本を確認しておきましょう。
- みずほ信託円株インデックスS:TOPIX連動、信託報酬0.13%
- 野村米国株式S&P500DC:S&P500連動、信託報酬0.11%
いずれも低コストで、インデックスファンドとして優れた選択肢です。
S&P500一本に集中する戦略
米国株は過去数十年にわたり高い成長を続けてきました。S&P500はアメリカを代表する企業群で構成されており、グローバル経済の中心に位置する市場です。
新卒のような若い世代であれば、時間を味方につけて価格変動リスクを長期で吸収する戦略が有効です。そのため、資産の100%をS&P500に投資するという戦略も合理的です。
日本株を組み入れるべき理由
とはいえ、すべてを米国株に投じるのは「集中投資」になり、地政学リスクや為替変動などの外部要因に影響されやすくなります。リスク分散の観点から、一定割合の日本株を加えることで安定性が高まります。
たとえば、70%をS&P500、30%をTOPIX連動商品にすることで、米国の成長力と日本国内の為替リスクヘッジのバランスが取れる構成になります。
シミュレーション:複数パターンでの運用比較
以下は30000円/月で積立をした場合、20年間の資産成長の例(年利5%)です。
構成 | 20年後の概算資産 |
---|---|
100% S&P500 | 約12,375,000円 |
70% S&P500 / 30% 日本株 | 約12,100,000円 |
50% S&P500 / 50% 日本株 | 約11,850,000円 |
※数値はあくまで想定の単利計算に近い試算であり、実際の市場状況により大きく変動します。
信託報酬の差はどのくらい重要か?
今回の2つの商品の信託報酬差は0.02%程度。これは年間30000円×12ヶ月=36万円に対して72円程度の差です。パフォーマンスが良ければこの差は吸収できますので、投資対象(アセット)の選定のほうが重要です。
まとめ:分散で守り、成長で攻める運用方針を
新卒でDC投資を始める方にとっては、積極的な資産形成の絶好のタイミングです。米国株100%でも合理的ですが、少しでもリスク分散を意識するなら、日本株を30%程度加えるのがバランスのよい戦略です。
最も大切なのは、長期で継続すること。毎月の積立額が安定し、複利効果が効いてくる20年後には、大きな成果となるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント