不換銀行券とは?インフレが起こる仕組みをやさしく解説

経済、景気

日常で使うお金はすべて「不換銀行券(ふかんぎんこうけん)」と呼ばれる紙幣です。この紙幣は金や銀と交換できない、いわば信用だけで成り立っているお金です。ではなぜ不換銀行券が増えるとインフレになるのでしょうか?この記事では、専門知識がなくても理解できるよう、わかりやすく仕組みを解説します。

不換銀行券とは何か?

不換銀行券とは、政府や中央銀行が発行する「金(ゴールド)などの実物資産と交換できない紙幣」のことです。現在日本で使われている「日本銀行券」もその一種です。

昔は「金本位制」といって、お金は金と交換できるという仕組みでしたが、現在はその仕組みはほとんどの国で廃止されており、今のお金は「政府の信用」によって成り立っています。

不換銀行券とインフレの関係

インフレとは物価が全体的に上昇し、お金の価値が下がることを言います。不換銀行券がたくさん発行されると市場に出回るお金が増えるため、同じ商品でも「より多くのお金を払わないと買えない」状態が起きます。

たとえば、世の中にリンゴが100個、お金が1万円あった場合、リンゴ1個の値段は100円ですが、お金が倍の2万円に増えたら、理論上リンゴは1個200円になります。このようにして物価が上がっていくのです。

歴史から学ぶインフレの例

実際に不換銀行券の乱発によって起こったインフレの例として有名なのが、1920年代のドイツ(ワイマール共和国)です。政府が大量の紙幣を印刷した結果、パン1個がトラック1台分のお金でも買えない「ハイパーインフレ」に陥りました。

また、2000年代のジンバブエでも、政府の財政赤字を補うために紙幣を大量発行した結果、100兆ジンバブエドル札などが登場し、通貨としての機能を失ってしまいました。

なぜ不換銀行券はコントロールが難しいのか

不換銀行券は金や銀と違い、印刷すればいくらでも発行できてしまいます。だからこそ、発行のしすぎはインフレを招くリスクがあります。

中央銀行(日本では日本銀行)は物価や景気を見ながら慎重にお金の量(通貨供給量)をコントロールしていますが、戦争や財政危機などの非常時には、政治的な判断で大量発行されることもあります。

現代日本はどうなのか?

2020年以降、日本を含む多くの国でコロナ対策としてお金が大量に供給されました。短期的には景気を支える効果がありましたが、その反動として2022年以降、物価上昇(インフレ)が加速しています。

日本銀行はインフレ目標を2%に定め、政策金利や資産買入れなどを使って調整していますが、世界的な資源高や円安の影響も加わり、調整は難しい局面に入っています。

インフレに備えるには?

インフレが進むと、お金の価値が下がるため、現金をそのまま持っていると目減りしてしまいます。そこで、資産を守る方法として「分散投資」や「インフレ連動型資産」へのシフトが重要になります。

たとえば、株式、不動産、金(ゴールド)、外貨建て資産などはインフレに強い資産とされています。また、日用品や食料品の買いだめも、短期的なインフレ対策になることがあります。

まとめ:不換銀行券とインフレの基本を理解しておこう

不換銀行券は現代経済の基盤ですが、管理が不適切であるとインフレを引き起こす危険もあります。経済の基本的な仕組みを理解しておくことが、自分の生活や資産を守る第一歩になります。

お金の価値は絶対的ではなく、「信用」と「供給量」によって変動するという事実を意識し、日々のニュースや経済動向にもアンテナを張っておきましょう。

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