近年、日本では円安による輸入物価の高騰と、実質賃金の低下、そして「バブル期並み」と言われる人手不足が一体となって家計や企業に重くのしかかっています。本記事では、その構造を整理し、今の政策や企業の対応について分かりやすく解説します。
物価高で実質賃金は10%減?その実態とは
名目賃金が微増しても、インフレ率(CPI)が2%超続くと実質賃金は目減りします。例えば、2023年3月には実質賃金が前年比 –2.5%、連続2年間減少しており、2024年までに累積で約5%程度の減少が確認されています :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
例えば、年収500万円の人は物価により実質価値が約25万円〜50万円分落ちており、「働いているのに貧しくなる」構図が鮮明です。
人手不足は本当にバブル期並み?
日本の求人倍率は1.3倍~1.5倍となっており、1990年代のバブル期と類似した水準です :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
コロナ後に女性・高齢者などの労働供給が停滞し、労働人口は減少傾向。建設・サービス業などで「人がいない」状態が続いています :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
円安+価格高騰=企業が賃上げしない理由
輸入コストが膨らむ中、企業は価格転嫁に慎重になり、賃上げを抑制する傾向があります。経済産業省も「企業業績はそこまで悪くないが賃上げにつながっていない」と指摘しています。
さらに、日銀の低金利政策も「借りやすく投資は促すが、賃上げ圧力には直結しない」構図が続いています。
政策対応と今後に向けた視点
政府は賃上げを促すための補助金や減税の支援策を導入しつつありますが、労働力不足を背景にした構造的インフレには対応しきれていません。
一方、日銀は人手不足をインフレ要因と認識し、2025年1月に政策金利を0.5%に引き上げるなど調整を進めています :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
企業はどう動いている?人手不足・価格転嫁への対応
中小企業を中心に、求人倍率増加への対応としてロボット導入やデジタル化(いわゆるSociety 5.0)を進めていますが、導入コストや習熟がネックになっています :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
一部では賃上げと引き換えに人材確保を図る動きもある一方、価格高・円安を理由に賃上げ抑制を続ける企業も依然多く、格差が広がっています。
まとめ:賃金低下+円安で働きたくない状況に陥らないために
現状では、「働いても実質収入が減る」状況が続き、家計の疲弊が深刻です。一方、企業側は人手不足に直面しつつも、賃上げには慎重です。
今後求められるのは、賃上げ支援+構造改革+収入政策の強化です。政策・企業・労働者が三位一体で取り組むことが、真の好循環への第一歩となるでしょう。

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