米国債の金利(利回り)は、経済や市場の動向に大きな影響を与える指標のひとつです。投資初心者の方にとっては「米国債を売ると金利が上がる」という関係は少し分かりにくいかもしれませんが、この記事ではその仕組みを丁寧に解説します。
米国債の価格と利回りの関係
債券の価格と金利(利回り)は逆の関係にあります。債券の価格が下がると利回りは上がり、価格が上がると利回りは下がります。これは、債券が固定の利息(クーポン)を支払う仕組みであるため、価格の変動によって実質的な利回りが変化するからです。
たとえば、額面100ドルで利息が年5ドルの債券が、市場で90ドルに値下がりした場合、購入者の利回りは5.56%に上昇します(5ドル ÷ 90ドル)。このように、債券価格が下がると利回りは上がるのです。
「売る」とは市場で売却されるということ
「米国債が売られる」というのは、市場において多くの投資家が保有していた米国債を売却する動きのことを指します。売りが増えると需給バランスにより価格が下がり、先述の通り金利は上昇します。
この動きは、インフレ懸念や金融政策の転換、信用不安などによって引き起こされることが多く、投資家心理が不安定になると頻繁に見られます。
機関投資家や海外勢の動向も影響
米国債は世界中の中央銀行や機関投資家に保有されているため、彼らの売買動向も金利に影響します。例えば、日本や中国などの政府系ファンドが米国債を大量に売却すると、その影響は即座に価格と金利に表れます。
2022年以降、米国の財政赤字拡大や利上げ観測を背景に、海外勢の米国債売却が増え、金利上昇の一因となりました。
金利が上がるとどうなるのか?
米国債の金利が上がると、以下のような影響があります。
- 住宅ローンや企業融資などの金利が上昇し、個人や企業の支出が減少する可能性がある
- 株式市場にはマイナス材料として働くことが多い
- 為替市場ではドル高要因になりやすい
このように、債券市場の動きは広範な経済活動に波及します。
まとめ
米国債が売られると価格が下がり、結果として金利が上がるのは、債券価格と金利が逆相関の関係にあるからです。経済や金融市場の流れを読む上で、米国債の動向と金利変化の関係を理解することは非常に重要です。

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