オルカン・S&P500一辺倒でいいのか?新興国・金投資に注目が集まる理由と米国依存からの分散戦略

資産運用、投資信託、NISA

投資信託やつみたてNISAの王道とされる「オルカン(全世界株式)」や「S&P500(米国株式)」の積立投資。しかし、近年「米国一強」に疑問を持ち、新興国や金(ゴールド)などへの分散投資に目を向ける投資家も増えてきています。本記事では、オルカンやS&P500だけに頼らない投資戦略の背景と、米国依存からのシフトの実態について解説します。

オルカン・S&P500投資が最適解とされた背景

これまで多くの投資家がオルカンやS&P500に投資してきたのは、米国市場が世界経済を牽引し続けてきたという実績に支えられているからです。実際、S&P500は過去10年で年平均リターン10%以上という圧倒的なパフォーマンスを記録しています。

また、オルカンは世界中に分散された投資先を持ち、リスクを抑えながら長期的な資産形成に適しているとされてきました。

なぜ今、新興国や金に注目が集まるのか

直近では、米国の金利高止まりや財政赤字拡大、地政学リスクなどを背景に「米国の成長に陰りが出るのでは?」という見方が台頭しています。その中で注目されているのが、以下のような投資先です。

  • 新興国株式:インドやベトナムなど、人口増加と経済成長が期待される地域
  • 金(ゴールド):インフレやドル不安に対するヘッジ資産として再評価
  • 資源国・コモディティ:世界の供給不安から注目される資源関連投資

これらは、S&P500には含まれにくい資産であるため、分散効果が期待されます。

実際に米国離れは進んでいるのか?

完全に米国株から離れる「米国離れ」が主流になっているわけではありませんが、「米国一極集中」に対するリスク意識は確実に高まっています。特につみたてNISAやiDeCo利用者の中で、以下のような変化が見られます。

  • 全世界株式(オルカン)を米国100%のS&P500より優先する動き
  • 一部ポートフォリオをゴールドETFや新興国ファンドに振り分ける動き
  • 米国株式のリターン停滞期への備えとして他資産を組み込む試み

このように、「米国も買うけど、他にも目を向ける」というスタンスの投資家が増えているのは事実です。

新興国や金投資の注意点とメリット

新興国や金に投資する際は、当然ながらメリットだけでなくリスクも把握しておく必要があります。

【新興国】為替の変動や政情不安、規制リスクがある一方、成長性は高く中長期のリターンに期待できます。

【金(ゴールド)】配当は出ないが、株式や通貨の下落局面では資産価値を守る役割があります。

リスク許容度に応じて、全体の5〜20%程度をこうした資産に充てるのが一般的な分散投資戦略です。

実例:積立投資家のポートフォリオ変化

たとえば30代の積立投資家Aさんは、2022年まではS&P500インデックスに100%投資していましたが、2023年以降は以下のように変更しました。

資産クラス 割合
S&P500 50%
全世界株式(オルカン) 20%
新興国株式 15%
金(ゴールドETF) 15%

このような形で、コア資産としてS&P500を維持しつつ、周辺資産で分散するスタイルが広まりつつあります。

まとめ:今こそ分散の本質を見直すタイミング

オルカンやS&P500は依然として魅力的な投資先ですが、「絶対的な最適解」ではありません。むしろ今後は、新興国や金といった異なる動きをする資産に目を向けることで、長期的なリスク管理とリターン向上を目指すのが理にかなっています。

大切なのは、時代の変化に合わせて柔軟にポートフォリオを見直す姿勢です。「米国一辺倒」でいいのか?その問いに、自分なりの答えを持つことがこれからの投資には求められます。

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