積立NISAでの狼狽売りはなぜ避けるべきか?トランプ関税ショック後の再スタートを考える

資産運用、投資信託、NISA

2024年4月に起きた「トランプ関税ショック」により、多くの積立投資家が一時的な株価下落に動揺し、損切りを選択するケースが見られました。特に米国株を中心に積立てていた人の中には、含み損に耐えきれず狼狽売りをしてしまった方も少なくありません。しかし、長期・積立・分散の原則を堅持していた投資家の中には、すでに含み益が戻った方も多くいます。この記事では、積立NISAでの失敗を糧に、次の一手をどのように取るべきかを解説します。

トランプ関税ショックとは?

2024年春、トランプ前大統領が再選に向けて関税強化を表明したことがきっかけで、米国株を中心とした株式市場が大きく反応しました。関税政策は企業利益を圧迫する懸念があるため、株価が短期的に下落するのは当然の反応といえます。

特に米国に投資していた個人投資家の中には、2年間積立ててきた資産が一時的に目減りし、不安から売却に踏み切った人も多かったようです。これは典型的な”狼狽売り”の事例といえます。

狼狽売りのリスクとは?

狼狽売りとは、感情に流されて合理的判断を欠いた売却行動を指します。市場の一時的な下落に反応して資産を売ってしまうと、その後の反発を逃してしまうことになり、トータルリターンを大きく損なう恐れがあります。

例えば、2024年4月に米国株が一時的に10%以上下落した後、わずか3カ月で株価が回復し、主要インデックスが再び最高値を更新しました。このような局面で売却した人と、積立を継続した人のリターンには大きな差が生まれています。

再スタートするなら「成長投資枠」をどう活用する?

2024年からスタートした新NISA制度では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2本立てとなっています。再スタートを検討する方にとって、特に成長投資枠は資金に余裕がある場合や、積極的な運用をしたい人にとって有効な選択肢です。

例えば、米国ETFや全世界株式型のファンド(オルカンやS&P500など)は、成長投資枠で購入可能です。長期での成長を期待しやすく、過去の失敗を取り戻す第一歩として有効です。

年齢が気になる方でも無理のない再投資を

「年齢的にもう遅いのでは?」と感じている方でも、時間を味方につけた積立は有効です。重要なのは、短期間でのリターンに一喜一憂せず、自分に合ったリスク許容度で積立設定を行うことです。

実際、60代でつみたてNISAを始めた方でも、3〜5年の中期的な視点で投資成果を得られるケースは珍しくありません。リスク資産と無リスク資産(現金や定期預金)のバランスを意識すれば、精神的な負担も軽減できます。

今後に向けた資産形成のポイント

  • 「積立停止」ではなく「売却回避」を第一に考える
  • 一時的な下落に慌てず、過去の相場を振り返る習慣をつける
  • 成長枠では分散投資を意識し、1本に集中しない
  • 年齢に応じてリスクをコントロールしつつ、投資を継続する

たとえば、暴落局面でいったん積立を止めたとしても、売却せずに保有を続けていれば、損失を最小限に抑えられることもあります。投資の基本は「時間に働いてもらうこと」です。

まとめ:失敗から学び、再スタートする勇気を

トランプ関税ショックで狼狽売りしてしまった経験は、貴重な教訓です。失敗を活かし、新しいNISA制度を活用してもう一度積立を始めてみましょう。

感情に流されず、冷静に投資戦略を立てていくことが、資産形成において何より大切です。年齢にかかわらず、「今この瞬間」が一番若い日。再スタートに遅すぎるということはありません。

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