SBI証券の実現損益が実際の利益と違う理由とは?PTS取引で起きる端数処理の落とし穴

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SBI証券でPTS(私設取引システム)を利用して株式売買を行うと、「資産残高では利益が出ているのに、実現損益詳細では損になっている」という現象が発生することがあります。特に10円台の低位株を大量に売買した場合、このようなズレが顕著になります。本記事では、その原因と見方のコツを具体的に解説します。

実例:10.7円で買って10.8円で売ったのに損失表示?

ある銘柄を10.7円で10万株購入し、10.8円で売却したケースを見てみましょう。

・購入金額:10.7円 × 100,000株 = 1,070,000円
・売却金額:10.8円 × 100,000株 = 1,080,000円
→ 差益:+10,000円(手数料・税を除いた単純計算)

ところが、SBI証券の「実現損益詳細」では−20,000円と表示されることがあります。この理由は「取得単価の計算方法」と「端数の切り上げ」にあります。

取得単価の切り上げ処理が損益表示に影響

SBI証券では保有株の取得単価を表示する際、小数点以下を四捨五入または切り上げて整数表示する仕様があります。そのため、10.7円で購入した株が、帳簿上では11円と見なされることがあります。

この場合、実現損益は以下のように計算されます。

  • 売値:10.8円 × 100,000株 = 1,080,000円
  • 帳簿上の取得額:11円 × 100,000株 = 1,100,000円

→ 実現損益:1,080,000円 − 1,100,000円 = −20,000円
となり、実際の損益とズレが出るのです。

資産残高では正しい評価益が表示される

一方、「資産残高」ページでは、実際の取得価格をベースに評価額が算出されているため、+10,000円の利益が正しく反映されているケースが多いです。

つまり、「実現損益詳細」は帳簿上の取得単価に基づいた損益で、「資産残高」は実際の取引ベースに近い値を反映していることがこの差の原因です。

ズレを防ぐには?確認のポイントと対処法

・取引明細や約定履歴から、実際の購入単価を確認する(例:10.7円と明記されている)
・SBI証券の「外貨建て資産」「信用取引明細」も参考にしながら損益を総合的に判断する
・税金計算では、SBI側が年間で通算して調整するため、確定申告や特定口座年間取引報告書では正しく処理されます

また、PTS取引や低位株を大量に売買する場合は、取得単価に小数点以下が発生しやすいため、帳簿上の単価と実際の単価にズレが生じやすいことを認識しておくと安心です。

まとめ:表示損益の差は“仕様”であり“損失”ではない

・SBI証券の「実現損益詳細」は四捨五入などで端数処理された取得単価を基準に計算される

  • その結果、実際の利益より小さく、場合によっては損として表示されることもある
  • 「資産残高」では実際の購入価格ベースで計算されるため、こちらの表示がより実態に近い
  • 最終的な税務上の損益には正確な数値が使われるので、安心してOK

帳簿表示と実際の損益がズレるのは取引プラットフォームの仕様であり、取引ミスや損失ではありません。気になる場合は取引履歴をCSVでダウンロードして、Excelなどで再計算して確認してみましょう。

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