投資において、利益をどのように再配分するかはリターンを左右する重要な要素です。特に「全世界株式の利益を月次で確定させて、NASDAQ100に再投資する」戦略は、成長市場に注目した合理的なアプローチといえます。本記事では、この戦略が持つ意義やリスクについて解説します。
全世界株式とNASDAQ100の基本的な性質の違い
全世界株式インデックス(例:VTやオルカン)は、米国を中心に先進国・新興国を含む広範な地域に分散投資されています。安定性とバランスが魅力です。
一方、NASDAQ100は米国のハイテク企業を中心とした成長株指数で、Apple・Microsoft・NVIDIAなどを含むテック偏重の構成です。高リターンが期待される一方、ボラティリティも高いのが特徴です。
利益を月次で確定するメリット
定期的な利益確定は、ポートフォリオ管理の一環としてリスクをコントロールする有効な方法です。
- 資産の増減に振り回されず、計画的な再配分が可能
- 過去の利益に対する「幻の利益」化を避けられる
たとえば、年初に評価益が出ていても、その後の急落で利益が消失するケースも少なくありません。定期的な利確は、こうした“幻の利益”を現実の資金に変える行動といえます。
NASDAQ100への再投資の成長性と課題
近年、NASDAQ100はS&P500を上回る成長を見せており、「GAFAM」や「AI関連」への期待から長期的な成長が見込まれています。
しかし、セクターの偏りは大きなリスクでもあります。テクノロジー中心であるため、規制リスクや金利上昇の影響を受けやすいという弱点があります。2022年の調整相場では、多くの投資家が一時的に資産を大きく減らしました。
「利益で再投資」vs「原資で積立」の違い
利益を再投資するスタイルは、いわゆる「フロー型」の資産形成に向いています。生活費と投資を分けた中で、運用益のみを投資に回すという発想です。
一方、定額積立などは「ストック型」思考で、原資を積み上げながら時間分散で買い続ける戦略です。フロー型は精神的負担が小さい反面、複利効果はやや限定されがちです。
実例:戦略が成功するパターンと失敗するパターン
成功例:全世界株で毎月5万円の含み益が出ており、それをNASDAQ100に投入。結果、NASDAQが年20%成長し、複利で効果的に資産が増加。
失敗例:NASDAQが調整局面に入り、3ヶ月で20%下落。全世界株からの利益確定が実質“損”となる心理的ストレスに。
まとめ:分散と集中のバランスを見極めよう
この戦略は、全世界株という安定基盤から成長性の高いNASDAQ100に利益を流すことで、分散と集中のバランスをとった賢い運用といえます。
ただし、再投資先がテック偏重のため、市場環境をよく観察し、過度な期待を避けることが肝要です。「利益を活かす」視点と「分散を崩しすぎない」バランス感覚をもって、長期的な資産形成に活かしていきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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