米ドル建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)は、安全性が高く、短期運用にも使える商品として投資家に人気があります。とはいえ、わずか数日間の運用でも為替リスクや課税の影響を受けることがあるため、思わぬ元本割れや税負担に繋がる可能性もあります。本記事では、短期でドルをMMFに入れる際のリスクと判断材料を解説します。
SBI証券の米ドルMMFは基本的に手数料無料
SBI証券で提供されている米ドル建てMMFは、購入手数料・換金手数料が無料で、年利1~5%程度の利回りが期待できます。通常、元本割れの可能性は極めて低く、安全性の高い米国短期国債などに投資されています。
しかし、これはあくまで米ドルベースで見た場合の話です。円に換算した際には、為替の変動による損益や税金が発生するため注意が必要です。
為替差益に課税される仕組み
外貨建てMMFは、為替差益が生じた場合に課税対象となります。具体的には、MMFを売却して得た日本円換算額が、取得時の為替レートより高くなった場合、その差額が雑所得として課税されます。
たとえば144円の為替レートでMMFを買い、145円のレートでMMFを売却・ETFを買う場合、その「1円分」が課税対象となり、20.315%の税金が引かれます。
4日間の短期運用に潜むリスク
分配金を数日間運用するためだけにMMFを購入し、すぐに売却して別の商品(例:ETF)を買うと、為替がわずかに動いただけでも税金負担で実質赤字になるケースがあります。
たとえば、144円でMMFを買い、4日後に145円でMMFを解約した場合、税負担が大きくなり、分配金の利益を超えてしまう可能性が十分にあります。これは実質的な「元本割れ」とも言えます。
ドルのままETF購入まで放置する選択肢
もし4日後に米国ETFを買う予定であるなら、MMFに一時的に入れることで得られる分配金は非常に少額であり、それ以上に為替差益課税リスクの方が大きくなる可能性があります。
短期間で売却する前提であれば、MMFにせずドルのまま放置する方がリスクが少ないといえるでしょう。特に現在のように円高気味の状況では、円安に振れた際に課税される可能性があるため慎重な判断が必要です。
分配金狙いの短期運用は費用対効果が小さい
MMFの分配金は年利で表現されますが、日割りで見るとごくわずかな利息しか得られません。4日間で得られる利息は、100万円預けても数十円程度になるケースも多く、そのためだけに為替課税リスクを取る意味は小さいです。
また、税務上は分配金も総合課税ではなく、MMF売却時の為替レートとの比較によって「譲渡益」として処理されるため、課税タイミングが非常に重要です。
まとめ:MMF短期運用は慎重に判断を
4日間という短期で米ドル建てMMFを利用する場合は、為替差益による課税が実質的な損失(元本割れ)になる可能性があることを十分理解した上で判断することが重要です。
分配金の利益が小さい場合や円高傾向にある場合は、MMFにせずドルのまま放置するのも有力な選択肢です。投資は利益とリスクのバランスを見極め、冷静に判断しましょう。

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