従量税が課された市場において、消費者余剰、生産者余剰、税収、そして超過負担を計算することは、税制が市場に与える影響を理解するために重要です。ここでは、需要曲線と供給曲線が与えられた場合に、従量税の導入後の影響を分析し、これらの指標を求める方法を解説します。
需要曲線と供給曲線の理解
まず、問題に与えられた需要曲線と供給曲線を見てみましょう。需要曲線は以下のように与えられています。
D = 10 – 2p (需要曲線)
そして、供給曲線は。
S = -2 + p (供給曲線)
ここで、pは価格を示し、Dは需要量、Sは供給量を示します。
従量税が課された場合の市場均衡
次に、0.5の従量税が導入された場合の市場の均衡を求めます。従量税は供給側に課されるため、供給曲線は税金分だけ上にシフトします。新しい供給曲線は次のようになります。
S’ = -2 + p + 0.5 (税金後の供給曲線)
市場均衡を求めるために、需要量と供給量が一致する点を見つけます。需要曲線と税後の供給曲線を連立方程式として解きます。
10 – 2p = -2 + p + 0.5
この方程式を解くと、価格pが求まります。計算過程は以下の通りです。
10 – 2p = -1.5 + p
10 + 1.5 = 2p + p
11.5 = 3p
p = 3.83
したがって、新しい市場価格は
約3.83
となります。
消費者余剰と生産者余剰の計算
次に、消費者余剰と生産者余剰を計算します。消費者余剰は、消費者が支払う意欲が市場価格よりも高い部分を示します。消費者余剰は、需要曲線と市場価格の間の面積で表されます。
消費者余剰の計算方法は次の通りです。
消費者余剰 = 1/2 × (基準価格 – 実際の市場価格) × (数量)
ここで、基準価格は需要曲線が価格0で交差する点の価格です。需要曲線から、価格0のときの需要量は10なので、消費者余剰は。
消費者余剰 = 1/2 × (10 – 3.83) × 3.34 = 約10.94
次に、生産者余剰を計算します。生産者余剰は、生産者が提供する意欲が市場価格よりも低い部分を示します。生産者余剰は、供給曲線と市場価格の間の面積で表されます。
生産者余剰の計算方法は、以下の通りです。
生産者余剰 = 1/2 × (実際の市場価格 – 基準価格) × (数量)
基準価格は供給曲線が価格0で交差する点の価格で、供給曲線から価格0での供給量は2です。したがって、生産者余剰は。
生産者余剰 = 1/2 × (3.83 – 2) × 3.34 = 約2.88
税収と超過負担の計算
税収は、税金が1単位あたり0.5円で課されることを考慮し、販売量(新しい均衡数量)に税率を掛けることで求めます。
税収 = 税率 × 新しい数量 = 0.5 × 3.34 = 約1.67
超過負担(または死重損失)は、税金によって市場が歪められた結果、消費者と生産者の福利が失われた部分を示します。超過負担は、消費者余剰と生産者余剰が税金によって減少した分として求められます。
超過負担 = (消費者余剰 + 生産者余剰 – 税収) = (10.94 + 2.88 – 1.67) = 約12.15
まとめ
従量税が市場に与える影響を計算することは、税制が経済に与える影響を理解する上で重要です。この例では、消費者余剰、生産者余剰、税収、そして超過負担を求めました。従量税が課されることで市場の効率性が低下し、税収が生まれる一方で超過負担が発生することがわかります。
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