S&P500のリターンが実際の評価益と異なる理由とは?積立投資で生じる差異をわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

投資信託でS&P500に積立投資をしていると、「自分の評価益」と「インデックス自体のリターン」にズレを感じることがあります。実際、1年間で14%近く増えたと感じていても、S&P500の公式リターンが2.5%というデータが出ていることも。本記事では、このような差異がなぜ生じるのか、投資初心者にもわかりやすく解説します。

S&P500のリターンと投資信託のリターンの違い

S&P500のリターンとは、一般的に「年初から年末までの価格の変化率(トータルリターン)」を指します。つまり、「指数そのものが何%上がったか」を表す数字です。これに対し、投資信託の評価益は、積み立てた金額や時期ごとの購入価格が影響するため、単純比較はできません。

たとえば、S&P500が1年かけてじわじわと上がった場合、毎月安い価格で買い付けてきた投資家は、より大きなリターンを得やすくなるのです。

積立投資なら「平均取得単価」がカギ

積立投資の魅力のひとつに「ドルコスト平均法」があります。価格が安いときは多く買い、高いときは少なく買うため、平均取得単価が下がりやすくなります。その結果、市場のリターン以上に個人投資家のリターンが高くなることがあるのです。

たとえば、去年の秋に市場が大きく下落していたときに購入した分が、現在の価格で見ると大きな含み益になっているため、トータルのリターンが14%になった、というケースもあります。

為替の影響も見逃せない

日本からS&P500に投資している場合、為替の動きもパフォーマンスに影響します。たとえば、ドル高円安になれば、S&P500が横ばいでも円換算の評価額は上昇します。これが、インデックスの公式リターンと、自身の評価益が大きく乖離するもうひとつの要因です。

実際、2024年から2025年にかけては円安が進行し、為替差益が投資成果にプラスに働いた人も多かったです。

積立額とタイミングの影響

積立額が大きかった月が、相場の安い時期だった場合、将来の評価益に強く影響します。たとえば、月に5万円ずつ積み立てていたとしても、一番安い時期に10万円追加していれば、その月の買付分が高リターンの牽引役になることもあります。

つまり「積立投資=定額で毎月買う」だけでなく、「いつ多く買ったか」も、トータルリターンに影響を与えるのです。

インデックスリターンはあくまで指標

S&P500の1年リターンは、指数の動きを表すものにすぎません。自分の積立実績と投資タイミングを反映したリターンは、それとは異なることがむしろ自然です。

自分のポートフォリオでリターンを出す際は、「過去の平均取得価格」「円建てでの評価額」「分配金の再投資有無」などを踏まえて総合的に判断しましょう。

まとめ:差異は戦略の結果であり、問題ではない

S&P500の公式リターンと実際の評価益の差は、積立のタイミング・為替・ドルコスト平均法など複数の要因で説明がつきます。このような差異は、むしろ戦略が機能している証とも言えるでしょう。長期積立を継続する中で、短期的なリターンのズレに惑わされず、ブレない投資を心がけることが大切です。

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