移動平均線の並び順を使ったテクニカル分析は、トレンドの強さや一貫性を視覚的に確認できる有効な手法です。TradingViewには複数の移動平均を活用したスクリーニング機能がありますが、「300日→100日→50日→30日→10日→5日」の順にきれいに下から並んでいる株式を自動で抽出するには、少し工夫が必要です。本記事ではその具体的な方法を解説します。
TradingViewのスクリーナー機能とは?
TradingViewの「ストックスクリーナー」は、株式やETFをテクニカル・ファンダメンタル・独自指標などで絞り込める非常に強力なツールです。ただし、標準のスクリーナーでは「移動平均線の並び順」という条件を直接指定することはできません。
そのため、条件を工夫しながら複数の移動平均同士を比較し、並び順を「擬似的に」再現する必要があります。
移動平均線の並び順をスクリーニングするロジック
今回探したい並び順は以下の通りです。
- 5日移動平均 < 10日移動平均
- 10日移動平均 < 30日移動平均
- 30日移動平均 < 50日移動平均
- 50日移動平均 < 100日移動平均
- 100日移動平均 < 300日移動平均
この条件をPine Scriptのカスタムインジケーターとして記述するか、スクリーナーの「条件式入力欄」で以下のように設定します。
カスタムスクリーナー条件の例
TradingViewのスクリーナーにおいては、以下のように「複数の条件」をANDでつなぐことで目的に近い抽出が可能です。
項目 | 条件 |
---|---|
MA5 | < MA10 |
MA10 | < MA30 |
MA30 | < MA50 |
MA50 | < MA100 |
MA100 | < MA300 |
これをTradingViewのストックスクリーナー内でフィルター条件として追加するには、左上の「フィルターを追加」から「移動平均」カテゴリーを選び、それぞれの比較式を設定します。
高度な手法:Pine Scriptを使った完全制御
もしご自身でインジケーターを作成できる場合は、以下のような簡易的なPine Scriptコードを用いてチャートに条件一致銘柄を表示させることも可能です。
// 移動平均線の並び順チェック用Pine Script //@version=5 indicator("MA Alignment Filter", overlay=true) ma5 = ta.sma(close, 5) ma10 = ta.sma(close, 10) ma30 = ta.sma(close, 30) ma50 = ta.sma(close, 50) ma100 = ta.sma(close, 100) ma300 = ta.sma(close, 300) isOrdered = ma5 < ma10 and ma10 < ma30 and ma30 < ma50 and ma50 < ma100 and ma100 < ma300 plotshape(isOrdered, location=location.belowbar, color=color.green, style=shape.labelup, title="MA Ordered")
このスクリプトをチャートに適用すれば、指定の並びになったときにマークが表示されます。これをもとに手動でスクリーニングする方法も現実的です。
まとめ:気になる銘柄を自動抽出するなら工夫と検証が大切
TradingViewのスクリーニング機能では、移動平均線の並び順そのものを直接指定する項目は存在しませんが、条件を組み合わせることで、意図に近いスクリーニングは十分可能です。さらにPine Scriptを活用すれば、チャート表示で視覚的に確認することもできます。自分なりのロジックを試しながら精度を高めていくことで、より有益なスクリーナーに進化させられるでしょう。

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