初心者でもわかるエリオット波動の基本構造と“6波・7波”が出現するケースの正しい理解

外国為替、FX

テクニカル分析の一手法として広く知られているエリオット波動理論は、一見すると単純なようで、実際のチャートでは複雑に見えることも多く、混乱を招きやすいポイントです。特に「6波」「7波」と感じられる動きに出会ったとき、これは理論に反するものなのか、それとも見方の問題なのかを理解しておくことが重要です。

エリオット波動理論の基本構造

エリオット波動は、上昇相場(または下降相場)において「5つの推進波」と「3つの修正波」から構成されるのが基本形です。推進波は1波〜5波まであり、トレンド方向の動きを示します。修正波はA・B・Cの3つで、トレンドに対する調整局面を示します。

この基本構造が「5波+3波」=「1サイクル」とされ、これがさらに上位波動の構成要素にもなるというフラクタル構造が特徴です。

なぜ6波・7波のように見えるのか?

6波や7波が存在するように見えるのは、主に以下のような原因によります。

  • サブ波動の混同:1波や3波の中にはさらに小さな5波が含まれており、それを「新たな波」と誤認しやすい。
  • ジグザグやトライアングル:修正波が複雑な形状になると、視覚的には複数の波が出ているように見える。
  • フラクタル構造の理解不足:波動のスケール(時間軸)が混在してしまい、別の時間軸の波を「6波」「7波」と勘違いする。

これらの理由により、「本来は5波構成であるものが6波・7波のように見える」ケースが発生しますが、それはエリオット波動理論が破綻しているのではなく、分析の時間軸やラベリングの解釈が異なることに由来します。

よくある誤解と修正のポイント

初心者に多い誤解として、「見たままカウントして6波目、7波目があるからエリオット波動ではない」と断定してしまうことがあります。しかし、実際には「波動のサイズ」「時間軸」「構造の分類」によって適切にラベリングすれば、すべて理論の範囲内で説明できるケースがほとんどです。

たとえば、1時間足チャートで見ていた波動が5波完了に見えたとしても、15分足ではその中にさらに5波が見える場合があります。これはエリオット波動理論がフラクタル構造を持つという特徴に基づく自然な現象です。

実例:6波・7波に見えるチャートの解釈

例えば以下のようなケースでは、6波や7波のように見えても、実際は。

  • 1〜5波の後にABCの修正波が始まり、それがジグザグやフラットの形で展開している
  • ABC波の中でもA波が5波で構成されており、それを6波目と誤認してしまっている
  • 複合修正波(ダブルジグザグ、トリプルジグザグ)が発生しており、波の数が増えている

このようなケースでは、構造を整理し直すことでエリオット波動の定義に沿った理解が可能になります。

ラベリングのコツと学習の進め方

正しく波をカウントするには、まず「大きな流れを俯瞰する」ことが基本です。日足や4時間足などの上位足で流れを確認し、その後に短期足で細部を見ていくのが効果的です。

また、波のラベリングに慣れるまでは、自動ラベリング機能付きのチャートソフト(例:TradingViewのスクリプトやMT4のインジケーター)を参考にするのも一つの手です。ただし、最終的には自分の目と経験で判断できるようになることが重要です。

まとめ:6波・7波に見えても焦らない

チャート分析の過程で「エリオット波動に反するような動き」に見えることがあっても、それは理論の例外ではなく、構造やスケールの見方に由来するケースが大半です。波動のフラクタル構造や複合修正波の知識を深めることで、6波・7波に見える現象も正確に分析できるようになります。

初心者の方は、まず基本の5波+3波構造を確実にマスターし、その後に複雑なパターンへと理解を広げていくのがおすすめです。

外国為替、FX
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました