株式投資では、銘柄の選定だけでなく、投資する「タイミング」も成果に大きく影響します。特に「夏場に株で損をする」といった声は多く、実際にそのような傾向があるのか、そしてどう対応すべきかを解説します。
季節性と株式市場:過去の傾向を知る
株式市場には「アノマリー」と呼ばれる季節ごとの傾向があり、特定の月に相場が弱くなる傾向があります。たとえば、「セル・イン・メイ(Sell in May)」という格言は、5月以降に相場が弱くなることを意味します。
実際に過去20年のデータを振り返ると、7月下旬から8月中旬にかけては出来高が減少しやすく、相場が不安定になるケースが多く見られます。これは夏季休暇や決算発表シーズンの重なりによるものと考えられています。
なぜ7月・8月に投資で負けやすいのか
この時期に損失が出やすい理由の一つは、機関投資家の多くが休暇を取るため、相場が閑散となり、突発的なニュースに過剰反応しやすくなる点にあります。
また、日本市場では「お盆前に一旦利確する」という投資行動も根付いており、需給バランスが崩れることで株価が大きく上下しやすくなります。こうした不安定な相場では、感情的な取引が増え、冷静な判断が難しくなります。
具体的な事例:2020年からの夏相場の動向
例えば2021年8月、デルタ株の流行によって経済回復の遅れが懸念され、日経平均は7月中旬から8月中旬にかけて約1,000円下落しました。一方で、その後の経済対策発表により、9月には一気に反発しています。
また、2023年8月には米国の長期金利上昇や中国経済の減速懸念から日経平均は一時3万円を割り込む場面もありました。このように、夏場は外部要因による相場の変動が激しくなりがちです。
相性が悪いと感じるなら取るべき行動
もし「7月や8月に投資すると負けやすい」と感じるなら、それはあなた自身の投資スタイルやメンタル面に関係している可能性もあります。こうした「相性の悪い時期」は、あえて投資を休む「マーケット・サバティカル(休暇)」も一つの手です。
また、インデックス投資のように一括ではなく、ドルコスト平均法で積み立てることで時期に左右されにくい運用も有効です。投資タイミングを分散することで、季節的な相場の揺れを吸収できます。
夏相場で勝ちやすくするための対策
夏の株式市場で負けにくくするためには、事前にリスクシナリオを考慮し、保有比率を減らす、利確を進めるなどの戦略が効果的です。また、不安定な相場環境ではディフェンシブ銘柄(医薬品・インフラなど)への投資が堅実です。
さらに、短期的な材料ではなく、中長期のファンダメンタルを重視した投資判断が重要です。夏だからといって常に損をするわけではなく、冷静な判断力があればチャンスも多くあります。
まとめ:自分の投資感情と相場の季節性を見極める
「夏場に投資で負ける」と感じるのは、実際の相場の季節性と、自身の投資判断が影響している可能性があります。過去の相場傾向を理解し、自分の感情や思い込みに気づくことで、冷静な投資行動が取れるようになります。
時期による損益の偏りが気になるなら、夏は無理に勝負せず、秋以降の相場に備えて準備するのも有効です。投資で大切なのは、「休むも相場」であることを忘れないことです。

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