株式トレードにおいて、自動的に利益確定と損切りを同時に設定できるIFDOCO注文は非常に便利な機能です。しかし、IFDOCO注文はすべての場面で万能というわけではなく、特に部分約定時の逆指値注文に注意が必要です。この記事では、SBI証券のIFDOCO注文で発生しやすい一部約定時の落とし穴と、回避するための工夫を解説します。
IFDOCO注文とは?機能と構成の基本
IFDOCO注文は、3つの注文を連動させる複合注文の一つです。以下のように構成されます。
- IFD1:新規注文(例:信用新規買い)
- IFD2:新規注文が成立したら発動するOCO注文(例:指値利確+逆指値損切り)
この注文形式により、エントリーと同時に「利確と損切り」の自動設定が可能になるため、相場を常に監視する必要がなくなります。
部分約定時に起こるエラーの理由
例えば300株の信用買注文をIFDOCOで出し、そのうち100株のみ約定した場合、OCO注文(利確と損切り)は100株の約定分にのみ有効であるべきです。
しかし、SBI証券では「未約定の新規注文が残っている状態での返済注文」が、建玉が存在しない=仮装売買と判定され、逆指値注文が発動できないという事象が確認されています。
この問題を回避するための2つの方法
このエラーを避けて逆指値による損切りを確実に行うには、以下の方法があります。
- 方法①:300株すべてが約定してからOCO注文を手動で発注
IFD1の注文が全数約定するまでOCO注文を発注しないことで、未約定部分による仮装売買リスクを回避できます。 - 方法②:最初から100株ずつ分割して3回に分けてIFDOCO注文を出す
この方法では、それぞれの注文が独立しており、部分約定しても個別にOCOが機能するため、安全性が高まります。
実際のシナリオによる検証
以下の例を見てみましょう。
- IFD1:1000円で信用新規買い 300株
- IFD2(OCO):1010円で指値売り/990円で成行の逆指値売り
このとき、100株が先に約定し、200株が未約定のまま下落。990円に到達しても、システムは「建玉が存在しない」と判断し、損切り注文を拒否します。
これは証券会社側のシステム設計上の制限であり、意図しないリスクを生みます。特に短期売買や日計り信用取引では注意が必要です。
SBI証券での代替手段や注意点
SBI証券では、IFDOCOに関する仕様が比較的厳しく、自動連携が一括で処理されるよう設計されているため、柔軟な対応が難しい面もあります。
注文前に「一部約定後の動作について」SBI証券の公式ガイドやヘルプページを確認し、可能であればサポートデスクに直接確認することをおすすめします。
まとめ:IFDOCOの仕様理解でリスクを回避しよう
IFDOCO注文は便利でありながら、仕様を誤解すると大きな損失につながる可能性もあります。部分約定時の挙動、仮装売買と判定されるリスク、そして対策としての注文分割や手動注文の活用など、正確な理解が安全なトレードの鍵です。
SBI証券で日計り信用取引を行う際は、必ず注文方法を事前にシミュレーションし、逆指値が機能しないリスクを排除するように心がけましょう。

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