「長期投資=アメリカ推し」は、多くの投資家や専門家が共通して持つスタンスのひとつですが、「成長性ならインドや新興国では?」という疑問を持つ人も少なくありません。この記事では、なぜ長期視点でもアメリカが推奨されやすいのか、その背景や合理性、新興国との違いについて解説します。
長期投資でアメリカが選ばれる主な理由
まず前提として、アメリカ株式市場は過去100年以上にわたり、長期的な安定成長と高いリターンを実現してきました。S&P500指数は複利ベースで年平均7〜10%の成長を記録しており、配当と含めたトータルリターンは世界でもトップクラスです。
さらに、アップルやマイクロソフト、アマゾンなど世界的な企業群が上場しており、イノベーションの源泉としての強さ、企業統治の透明性、投資家保護の制度面も含めて信頼性が高いのです。
新興国(インドなど)は本当に長期向きか?
一方、インドやベトナムなどの新興国は「成長性」では確かに魅力があります。若年層人口の多さやGDP成長率、都市化の加速など、構造的な伸びしろは豊富です。
しかし、投資先としての「予測可能性の低さ」や「リスクの大きさ」も同時に存在します。例として、インドは規制変更が急で、企業会計の透明性もアメリカに比べて見劣りする面があります。加えて、政治リスク、通貨変動リスク、市場の流動性不足も課題です。
アメリカ推しは「過去の実績に基づく合理的な選択」
多くの投資家がアメリカを推す理由は、単なる過去の成功体験ではありません。今なお「世界中の成長企業がアメリカ市場に上場したがる」状況が続いており、資本市場としての優位性が崩れていないのです。
つまり、「将来どこが伸びるか不透明」な状況だからこそ、実績があり、規模・流動性・安定性に優れたアメリカをベースにするのが無難というわけです。ポートフォリオの中心に置きやすいのです。
新興国投資は「サテライト戦略」として有効
とはいえ、成長の爆発力という意味では新興国も捨てがたく、投資対象として完全に除外すべきではありません。そこで活用されるのが「コア・サテライト戦略」です。
たとえば、資産全体の80%を米国中心の安定資産(インデックス投資など)に、20%をインド・ベトナム・中東ETFなど新興国に振り分ける戦略が有効です。リスクとリターンのバランスを取りながら、成長の恩恵も享受できる方法です。
実際の投資家や著名人のポートフォリオは?
ウォーレン・バフェットは、自身の妻への推奨ポートフォリオとして「S&P500インデックスファンドを90%、短期債券を10%」と語っています。これは、アメリカの企業群に長期的に信頼を置いていることを意味します。
一方で、レイ・ダリオやジム・ロジャーズといった投資家は、一定割合で中国・インド・アジア諸国への投資も組み入れており、世界分散の重要性も強調しています。
まとめ:アメリカを中心に、新興国も取り入れる柔軟な姿勢を
長期投資でアメリカが推されるのは、「実績・信頼・安定性」を備えたマーケットだからです。新興国は将来性がある反面、変動も大きく「補完的な位置づけ」が現実的です。
長期の資産形成を考えるなら、アメリカを軸にしながら、自分のリスク許容度に応じてインドや新興国を取り入れるバランス戦略が理にかなっています。未来は誰にも読めないからこそ、「分散と安定」がキーワードになります。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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