証券口座のセキュリティに対する関心が高まる中で、日中の取引時間帯だけでなく、夜間のPTS(私設取引システム)を利用した不正取引による被害が問題視されています。この記事では、証券口座の乗っ取りが発生しうる時間帯や、PTSを悪用した不審な動き、さらにその対策について解説します。
証券口座の乗っ取りは取引時間外にも発生する
証券口座の乗っ取り自体は、インターネット経由で行われるため、取引所の営業時間に関係なくいつでも発生し得ます。つまり、午前9時から午後3時半の東証の通常取引時間外でも、不正ログインや不審な注文が行われるリスクがあります。
実際に、夜間のPTS市場を利用して、本人が気づきにくい時間帯に不審な売買が行われたという被害報告もあり、夜間だから安全という考えは危険です。
PTS(私設取引システム)とは何か
PTSとは、東京証券取引所などの公設市場とは別に、証券会社などが運営する非公式な株式取引システムのことを指します。多くのPTSは夜間や早朝でも取引が可能で、これを活用することで不正利用者は人目を避けて取引することができます。
たとえば、日中に買い付けた銘柄を夜間PTSで即座に売却することで、資産を移動させたり、口座の資産を空にしたりといった行為が短時間で実行可能です。
PTSでの異常取引に注意すべきパターン
通常PTSでは、流動性の高い銘柄(例:日経225構成銘柄など)が主に取引されます。ところが、乗っ取り被害が疑われるケースでは、中国企業などの海外関連銘柄や、流動性の低い小型株を突然購入するなど、明らかに本人の投資傾向と異なるパターンが見られます。
このような異常な動きは、証券会社側も監視していますが、リアルタイムで全てを見破ることは困難です。特に小口投資家や新規口座では、取引履歴が乏しいため、検知が遅れる傾向にあります。
証券会社のセキュリティ対策と限界
証券会社では、2段階認証やログイン履歴の通知、異常取引のモニタリングなどを導入しており、不正ログインの検知体制は年々強化されています。しかし、フィッシングサイトなどによってログイン情報が盗まれるケースでは、利用者自身が気づく前に被害が発生していることもあります。
たとえば、被害者がPTSの利用を通常しないにも関わらず、夜間に高額取引が行われていた事例では、被害に気づいた時点で資産の大部分が失われていたこともあります。
不正取引の兆候と被害を防ぐための対策
- ログイン履歴や注文履歴を日常的に確認する
- 普段取引しない銘柄やPTS取引があれば即座に証券会社に報告
- パスワードは定期的に変更し、他サービスとの使い回しを避ける
- 2段階認証は必ず有効に設定する
- スマホアプリのプッシュ通知でリアルタイム監視を行う
これらの対策を実施することで、万が一の乗っ取りにも早期対応が可能となり、被害を最小限に抑えることができます。
まとめ:夜間でも油断せず口座の監視を徹底しよう
証券口座の乗っ取りは時間帯を問わず発生し、PTSを悪用した夜間取引も現実に起きています。取引時間外だからといって油断せず、日常的な監視とセキュリティ対策を徹底することが重要です。万一、不審な取引があった場合は、すぐに証券会社へ連絡し、対応を仰ぎましょう。

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