60代から考える資産運用の出口戦略:大きく育った個別株をどうする?

資産運用、投資信託、NISA

定年を迎えた60代で、資産形成から資産活用にシフトする時期に入り、「大きく値上がりした株をどうするか」という悩みを抱える方は少なくありません。本記事では、資産を5倍以上に増やした後の選択肢を、リスク管理・税制・ライフプランの視点からやさしく解説します。

個別株を持ち続けることのメリットとリスク

株をそのまま持ち続けることは、含み益に課税されないメリットがあります。さらに、配当があれば定期的にインカムゲインを得ることも可能です。

しかし、個別株には企業業績や市場の変動などのリスクが常に存在します。特に高齢期には、大きな値下がりに耐える余裕が少なくなるため、一極集中リスクが大きな課題になります。

一部売却でリスク分散と現金化を両立

一括で全てを売却するのではなく、一部だけを売却して利益確定する方法は非常に現実的です。売却益に対する税金(約20.315%)を考慮しながらも、必要資金を現金化できます。

たとえば、現在評価額が1,000万円の株式のうち、300万円分だけを売却し、残りはそのまま保有する。これにより、手元資金と将来の配当の両方を確保できます。

売却益にかかる税金とその対策

株式の売却益には、20.315%の譲渡所得税がかかります。たとえば200万円の売却益が出た場合、約40万円の税金が発生します。

節税対策としては、特定口座の損益通算や、複数年に分けて売却する「分割売却」などが有効です。税金を最小限に抑えながら現金を得ることができます。

老後資金としての安全資産への移行

資産を増やすフェーズから、守るフェーズへ移行することも重要です。国債や定期預金、個人向け年金保険などの安定した商品への一部移行が推奨されます。

特に医療費や介護、突発的な出費に備えるためには、手元に一定の流動資産(現金)を確保しておくことが望ましいです。

配当金に依存する戦略の限界

配当率が1%以下の場合、1,000万円の投資でも年間10万円にしかなりません。生活費を補うには不十分であるため、「配当で暮らす」戦略は見直しが必要です。

配当が低い企業は、成長を重視して内部留保を増やしているケースが多く、短期的には安定収入につながりません。老後の資金戦略には、インカムゲイン中心の商品に一部切り替える選択も有効です。

まとめ:ライフプランに合った出口戦略を

老後資産の運用に正解はありませんが、「安心して老後を過ごす」ことを目的に出口戦略を立てることが大切です。

・一部売却して現金化し、安心資産に切り替える
・配当が少ないなら保有の見直しも検討
・税金を意識した計画的な売却で利益を最大化
この3つを意識することで、安定したセカンドライフに近づくはずです。

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