トレードで「自信のあるエントリーだけを狙うから、リスクを10%まで取っても大丈夫では?」と考える人は少なくありません。さらに「連敗しない前提でマーチンゲール的にロットを増やす」という戦略も魅力的に見えるかもしれません。しかし、こうした考え方には致命的な落とし穴があります。本記事では、高リスク&高ロット運用がなぜ危険なのか、実例や理論を交えて丁寧に解説していきます。
リスク10%という設定の本当の意味
リスクを1トレードあたり資金の10%に設定するというのは、かなり攻撃的な資金配分です。これは、3連敗で資金の約27%を失う計算になります(0.9×0.9×0.9=約72.9%)。
仮に資金100万円でスタートし、毎回10%をリスクにさらすと、わずか数回の連敗で資金は一気に縮小。そこからロットを増やして“挽回”するのは、非常に危険な発想です。
マーチンゲール戦略の魅力と破綻の構造
マーチンゲールとは、負けたら次に賭け金を倍にすることで、1回でも勝てばすべてを取り戻せるという考え方です。理屈としては完璧に見えますが、現実のトレードでは破綻のリスクが非常に高いです。
たとえば、以下のようにロットを上げていくと。
トレード回数 | 損失額(%) | 累積損失(%) |
---|---|---|
1回目 | -10% | -10% |
2回目 | -20% | -30% |
3回目 | -40% | -70% |
4回目 | -80% | -150%(実質破綻) |
このように、ロットを上げるたびに必要な資金は指数的に増加し、数回の連敗で口座資金を超えるポジションが必要になります。
「厳選エントリー=高勝率」とは限らない
確かに「根拠があるエントリーだけを選ぶ」ことで勝率は上がる可能性がありますが、それでも相場に絶対はありません。勝率80%の手法でも、5連敗する確率はざっと10%以上あります。
つまり、どれだけ精度の高いエントリーでも、想定外の負けは必ず訪れます。それを前提に戦略を立てなければ、1回の連敗ですべてを失うことになります。
リスク管理の黄金ルール:1〜2%ルール
プロトレーダーや機関投資家がよく用いるのが「1回のトレードで資金の1〜2%以上をリスクにさらさない」というルールです。これは、連敗が続いても破産しないように設計されています。
例えば、資金100万円でリスクを1%(1万円)にすれば、10連敗しても損失は10万円。これなら、戦略を見直す余裕も残ります。
安全な成長を目指すロット設計とは?
リスクを抑えつつ利益を積み上げるには、以下のような考え方が重要です。
- トレードあたりのリスクは資金の1〜2%
- 勝率×平均利益>負け率×平均損失 でプラスの期待値をキープ
- ロットは勝率ではなくリスク許容度から決める
このように、トレードはギャンブルではなく確率のゲーム。生き残ることが最も大事です。
まとめ:高リスク&ハイレバは“勝てる人”でも破滅する
超厳選エントリーでも、リスク10%+マーチンゲール+ハイレバという組み合わせは、長期的に見て破綻する可能性が非常に高い戦略です。数回の連敗で資金を大きく減らし、取り戻そうとするほど悪循環に陥ります。
トレードで勝つためには、「勝率」よりも「資金管理」「リスク管理」「期待値のコントロール」が最重要。自信があるからこそ、慎重にリスクを設計する姿勢が、長く市場に残り続けるための鍵となります。

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