「円安」や「円高」といった言葉をよく耳にする中で、そもそも為替レートがどの水準なら「普通」なのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、「円安・円高なし(=中立)」の為替レートをどう考えるか、そして1ユーロ・1ポンドが何円くらいが妥当なのかをわかりやすく解説します。
為替レートの「適正値」はどうやって決まる?
為替レートは市場の需給で決まりますが、「円安でも円高でもない水準」は購買力平価(PPP:Purchasing Power Parity)という考え方から推定されます。これは各国の物価の差をもとに、通貨の価値を比較する手法です。
例として、ハンバーガーの価格が日本で500円、アメリカで5ドルなら、「1ドル=100円」が物価水準的に妥当という計算です。この考え方を用いて、ユーロやポンドも理論的な為替レートを導き出すことができます。
1ドル=100円が「中立レート」の前提で考えると
もし「1ドル=100円」が中立の為替レートだとすれば、それを基準に他通貨も調整できます。例えば、ユーロとドルの中立レートが「1ユーロ=1.20ドル」だと仮定すると。
1ユーロ = 1.20ドル × 100円(1ドル)= 120円となります。
同様に、1ポンド=1.40ドルであれば、1ポンド = 1.40ドル × 100円 = 140円が妥当とされる計算です。
実際のレートとどう違う?為替には幅がある
2020年代以降の実際の為替市場では、円安が進行し、2023年〜2025年には1ドル=140〜160円という水準になることもありました。このとき、1ユーロ=160円前後、1ポンド=180円台になることも。
しかし、それはあくまで「実勢レート」であり、「中立」や「妥当」とされる水準とは異なります。市場は常に変動しており、投機や政策、金利差などが影響します。
「円安・円高なし」状態とは何か
ここでいう「円安・円高なし」とは、政治的・経済的な影響を取り除いた「長期的な平均水準」や「購買力ベース」で見た時の価値です。日銀やIMFなどが参考にする「実質実効為替レート」もこれに近い概念です。
この観点からすると、1ユーロ=120円〜125円、1ポンド=135円〜145円程度が「円高でも円安でもない」妥当な水準とされることが多いです。
まとめ:中立レートを知ることの意味
為替レートは常に変動するものですが、「円安・円高なし=中立」な水準を知っておくと、今の為替がどれだけ偏っているかを客観的に判断する材料になります。
投資や海外送金、輸入品購入など、為替が関わる場面では、「今は高いのか安いのか?」という視点を持つことが、より賢い判断につながるでしょう。

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