株式取引において、取引終了間際に注文を出す「引け成り(引け成行)注文」は多くの投資家に活用されています。一方で、「指値注文」と組み合わせた際の挙動について混乱する方も少なくありません。この記事では、引け成りと指値注文の違い、取引の成立条件、そして注意すべきポイントを具体的に解説していきます。
引け成り注文とは?その基本的な仕組み
引け成り注文とは、株式市場が引ける(終了する)タイミングで、その時点の成行で売買を成立させる注文方法です。取引時間の終了間際に市場の成行で約定されるため、終値で売買したい投資家に利用されています。
例えば、15:00が市場終了の場合、14:59までに出された引け成り注文は、その日の終値で約定する可能性があります。ただし、同時に多くの引け成り注文が入った場合、板の状況によっては未約定で終了することもあります。
指値注文との違いと同時使用時の注意点
指値注文は、指定した価格以下で買いたい、または以上で売りたいと希望する注文方法です。価格指定があるため、取引が成立しないことも多いです。たとえば、1,000円の指値買い注文を出していて、終値が1,010円であれば当然約定しません。
重要なのは、引け成り注文と指値注文は別物であり、同時に同じ銘柄に対して両方出しても約定には独立して影響します。特に「指値で予約しておけば引けで買われない」と誤解するのは危険です。
引け成り注文と指値が重なった場合の実例
たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。
注文種別 | 価格 | 結果 |
---|---|---|
買い指値 | 980円 | 終値が1,000円なら未約定 |
引け成り買い | 成行 | 終値で約定(例:1,000円) |
つまり、指値では価格が一致しない限り成立せず、引け成りは価格にかかわらず板の状況次第で成立することになります。
引け成りの予約注文をした場合の挙動
証券会社の注文画面などで「引け成りで買い注文を予約した」としても、それはあくまで成行注文です。よって、相場が急騰していた場合、高値で約定するリスクもあります。
一方で、予約したまま何も条件に引っかからなければ、当然その注文は無効(未約定)となり、次の営業日には持ち越されません。
指値だけを入れていた場合の挙動
一方、引け成りではなく指値買い注文だけを出していた場合、株価がその価格に届かなければ当然注文は通りません。特に当日限りの注文設定であれば、取引終了後に注文は自動でキャンセルされます。
例えば「1,000円で指値買い」をしていて終値が1,010円なら、何も取引は行われず、損も得もしない結果となります。
まとめ:注文の種類ごとの特徴を理解して適切に使い分けよう
株取引で損を避けるためには、引け成り注文と指値注文の違いをしっかり理解することが重要です。引け成りは成行の一種として動くため、価格を指定できませんが、指値注文は価格に達しなければ成立しません。
特に大引け直前の注文では、相場の変動や出来高にも注意を払い、適切な注文方法を選びましょう。注文前には証券会社の仕様(予約注文の扱いや当日限り・期間指定など)もよく確認することが大切です。

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