未上場企業で役員を務めながら株主でもある場合、「会社が利益を出せば、自分の持ち株数に応じて配当金がもらえるのか」「配当と役員報酬はどう違うのか」と迷う人は少なくありません。本記事では、株主としての配当と、役員としての報酬の仕組み・条件を整理し、どのようなときに配当を受け取れるかを説明します。
非上場会社でも、株主であれば配当を受け取れる可能性がある
まず重要なのは、たとえ会社が未上場(非上場)でも、株主であれば配当を受け取る権利があるという点です。では、会社が剰余金を株主に分配する場合、株主総会または取締役会などの決議を経れば配当が可能とされています。([参照]からも、非上場会社の社長など株主が配当を受け取ることは可能という説明があります):contentReference[oaicite:1]{index=1}
ただし、配当が出るかどうか、出す金額は会社の業績・剰余金の状況、会社の資本・準備金の状況によって決まります。つまり「利益が出たから必ず配当される」という保証はありません。([参照]):contentReference[oaicite:2]{index=2}
配当を出すための制限 ― 「分配可能額」の考え方
会社が配当できる金額には法的な上限があります。会社法では、配当(剰余金の分配)は「分配可能額」の範囲内でなければならず、この額は「剰余金」から「資本金」「資本準備金」「利益準備金」などを控除したうえで算定されます。([参照]):contentReference[oaicite:3]{index=3}
そのため、たとえ見かけ上「利益が出た」ように見えても、会社の財務構造や準備金の設定状況によっては、株主に対する配当が難しい場合があります。特に中小の非上場会社では、この制限が配当実施の大きなハードルになります。([参照]):contentReference[oaicite:4]{index=4}
配当と役員報酬は性質がまったく異なる
配当金は、会社の利益の一部を株主に還元するもの。株主であれば(そして配当が決議されれば)持ち株数に応じて分配を受けられます。一方、役員報酬は、会社役員として会社から受け取る給与や報酬であり、株主かどうかは関係ありません。報酬は会社の経費として扱われ、法人税の対象収益から控除されうる性質があります。([参照]):contentReference[oaicite:5]{index=5}
また税制上も異なります。たとえば、非上場会社からの配当は、株主が個人であれば「総合課税」の対象となり、他の所得と合算して課税されます。([参照]):contentReference[oaicite:6]{index=6}
実例で理解する:あなたが配当を受け取れる可能性のある条件
たとえば、あなたがその会社の役員かつ株主で、株式を50%保有していたとします。この会社が黒字決算を出し、剰余金があり、過去から準備金などの積立も問題なければ、株主総会で配当を決議すれば、あなたは配当を受け取る権利があります。
しかし、会社が成長投資を優先し利益を内部留保したり、法定の「分配可能額」が小さい場合には、たとえ株主でも配当は出ない可能性があります。このようなケースは特に中小・非上場企業では珍しくありません。
なぜ非上場企業で配当が出ないことが多いのか
多くの中小企業では、将来の設備投資や運転資金の確保のため、利益をあえて内部留保することを選びがちです。このため、株主であっても配当を受け取る機会がそもそも少ないという現実があります。([参照]):contentReference[oaicite:7]{index=7}
また、内部留保や準備金の確保を優先すれば、たとえ会社が黒字であっても「剰余金があっても配当を見送る」という判断になることがあります。これも、非上場企業で配当が出にくい理由のひとつです。
まとめ
未上場企業であっても、あなたが株主であれば、会社が配当を決議すれば持ち株数に応じて配当金を受け取る権利があります。一方、「配当を出すか」「いくら出すか」は会社の業績、剰余金、準備金の状況、会社の経営方針によって大きく変わり、必ずしも配当が得られるわけではありません。
また、配当金と役員報酬は性質も税制も異なるものです。したがって、配当を期待するなら、会社の財務状況や定款、過去の決算状況、株主総会での方針などをしっかり確認するのが重要です。もしよければ、配当に関する実務的なチェックリストも別記事で紹介できます。
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