株式取引において「指値注文」と「成行注文」は基本中の基本ですが、その優先順位については誤解されていることも少なくありません。本記事では、特に国内の証券取引所に上場している内国株式の「普通取引」における注文の成立順序について、初心者にも分かりやすく整理します。
そもそも指値注文と成行注文の違いとは?
指値注文とは、「この価格で売買したい」と価格を指定して出す注文です。一方で、成行注文は「価格は問わないので今すぐ売買したい」という注文です。
例えば、「○○株式会社の株を1,000円で買いたい」というのが指値注文で、「○○株式会社の株をどんな価格でもいいから今すぐ買いたい」というのが成行注文です。
取引所のルール:成行注文が指値注文より優先される
質問にある「指値注文は成行注文に優先して売買が成立する」という文は誤りです。実際には、成行注文が指値注文よりも優先されます。
東京証券取引所をはじめとした日本の証券取引所では、注文の執行にあたって次の優先順位ルールが適用されます。
- 成行注文が最優先
- 次に価格条件に基づく指値注文(買い注文は高い価格、売り注文は安い価格)
- 最後に同価格内では時間優先(早く出された注文が優先)
つまり、成行注文は即時執行を目的とするため、最も早く取引が成立しやすい形式となっています。
実例で理解する注文の成立順
以下のような売り注文と買い注文が出ていると仮定します。
注文種別 | 価格 | 数量 |
---|---|---|
売り(指値) | 1,000円 | 100株 |
買い(成行) | — | 100株 |
買い(指値) | 1,000円 | 100株 |
この場合、最初に成立するのは「買いの成行注文」です。なぜなら成行注文は価格を問わず即座にマッチングされるからです。続いて、売り注文と買いの指値注文がマッチするかが判断されます。
成行注文にも注意点がある
成行注文は優先される一方で、約定価格が予想より大きくずれるリスクもあります。たとえば市場に売り注文が少ないと、買いの成行注文は非常に高い価格で約定してしまう可能性も。
特に出来高の少ない銘柄では、指値注文の方がリスクを抑えられる場合があります。
まとめ:正しい理解で賢く注文しよう
内国株式の普通取引においては、成行注文が指値注文よりも優先して売買が成立します。このルールを知らずに注文を出すと、思わぬ価格で取引が成立してしまうこともあります。指値と成行の違い、そして優先順位をしっかり理解して、状況に応じた注文方法を選びましょう。
さらに詳しくは東京証券取引所の公式ガイドも参考にすると良いでしょう。

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