限界収入曲線とは?経済学初心者にもわかるやさしい解説と実例

経済、景気

経済学では、企業が利益を最大化するためにさまざまな指標を用います。その中でも「限界収入曲線」は重要な概念の一つであり、特に市場構造の違いによる企業の戦略分析でよく登場します。この記事では、限界収入曲線の基本的な意味や描き方、活用の仕方について具体的に説明します。

限界収入(MR)とは何か?

限界収入(Marginal Revenue)とは、「財やサービスを1単位追加で販売したときに得られる追加の収入」のことです。たとえば、1個100円でリンゴを売っていて、10個目を売って収入が900円から1000円に増えた場合、このときの限界収入は100円になります。

限界収入の概念は、特に価格を変動させることができる「価格設定者(プライスマーカー)」である独占企業や寡占企業で重要になります。完全競争市場では、限界収入は価格と常に一致します。

限界収入曲線の描き方と特徴

限界収入曲線は、横軸に生産量(販売数量)、縦軸に限界収入を取ったグラフです。通常、以下のような特徴があります。

  • 完全競争市場では、限界収入曲線は横一直線で価格と一致。
  • 独占や寡占市場では、限界収入曲線は需要曲線(平均収入曲線)の下にあり、右下がりになります。

これは、価格を下げないと売上数量を増やせない場合、追加の販売によって以前より安い価格で売らざるを得ないため、限界収入が価格より低くなるからです。

実例:リンゴを売る場合で考える

たとえば、あなたがリンゴを1個100円で販売していて、1個売ると100円の収入になります。2個目を売るためには95円に値下げしたとしましょう。このとき、2個売って190円(=95×2)の収入になり、限界収入は90円です(190円−100円)。このように、販売数を増やすと価格を下げなければならず、限界収入が逓減していくのです。

限界収入と利潤最大化の関係

経済学では、企業が利潤を最大化するためには「限界収入=限界費用(MR=MC)」となる生産量を選択するのが原則とされています。限界収入が限界費用を下回れば、それ以上生産しても利益は減ってしまいます。

したがって、限界収入曲線と限界費用曲線が交わる点を見つけることで、最も効率の良い生産数量が判断できるのです。

限界収入が経済政策に与える影響

限界収入の概念は、企業行動の分析だけでなく、価格規制や課税政策の評価にも使われます。たとえば、独占企業の価格設定が高すぎるとされる場合、政府が価格を制限することで限界収入と限界費用のバランスを調整し、消費者利益を増やす施策が行われることもあります。

まとめ:限界収入曲線の理解がビジネス判断を左右する

限界収入曲線は、企業の売上変化を定量的に捉える重要な指標です。特に市場が完全競争でない場合には、価格戦略や生産戦略の判断材料として不可欠な要素となります。これを理解することで、より合理的な経済判断が可能になります。

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