株のパフォーマンスは手取額で見るべき?正しいリターン計算の方法と注意点

株式

株式投資の成果を測るうえで「いくら儲かったのか?」は最も気になるポイントです。その際、売買益や配当金の総額だけを見るのではなく、税金や手数料を差し引いた“手取額”でパフォーマンスを評価すべきかどうかは、投資スタイルや目的によって異なります。この記事では、株のパフォーマンスをどう計算するのが正確か、手取額をどう扱うべきかを具体的に解説します。

投資のパフォーマンスは「リターン」で評価される

株式投資のパフォーマンスは、一般的に「リターン(収益率)」で評価されます。これは、投資元本に対してどれだけの利益を得られたかを示すもので、次のような基本式で求めます。

リターン(%) = (売却額 − 購入額)÷ 購入額 × 100

この計算では手数料や税金は含まれていません。しかし、実際に手元に残る金額とはズレがあるため、投資家が実感するリターンとは乖離が生じます。

手取額を考慮した「実質リターン」とは?

投資パフォーマンスを正確に捉えるには「手数料」「税金」「その他コスト」を引いた後の実質的な利益、つまり手取額をもとにした実質リターンを計算することが重要です。

たとえば、100万円で買った株が120万円で売れた場合、表面的には+20%のリターンですが、ここから証券会社の売買手数料、そして約20.315%の譲渡益課税が引かれると、実際の手取りは約15〜16万円程度。実質リターンは約15〜16%に下がります。

配当金も手取りで考えるのが基本

配当金も同様に、税引後の金額が実際の利益となります。配当には約20.315%の税金が源泉徴収されるため、たとえば1株あたり100円の配当があっても、実際の手取りは約80円程度になります。

配当込みのトータルリターンを算出する場合は、「税引後配当」を合算することで、より正確な実感ベースのパフォーマンスを把握できます。

なぜ表面的なリターンだけでは不十分なのか?

特に複数銘柄を長期間にわたって運用している場合、手数料や税金の積み重ねが大きな差になります。たとえば、年間で10回売買を繰り返し、そのたびに利益を確定している場合、毎回税金が差し引かれるため、表面的な利益が積み重なっても、実質的な資産はそれほど増えていないということも起こります。

このため、年間の手取ベースでの実質収支を把握することは、資産管理のうえでも非常に重要です。

投資の目的によって評価方法も変わる

たとえば、確定申告で損益通算や繰越控除を使うことを前提にしている場合、一時的に差し引かれた税金が戻ってくる可能性があります。このような場合、単年の手取額だけで評価せず、税還付も含めたトータルのキャッシュフローでパフォーマンスを見る必要があります。

また、長期投資家で配当再投資を行っている場合は、配当の手取り額ではなく「再投資に回した金額の成長」も含めたリターン分析が効果的です。

まとめ:投資のパフォーマンスは目的と視点に応じて手取額も活用しよう

株のパフォーマンスを評価する際には、「表面的なリターン」と「手取額ベースの実質リターン」の両面から見ることが大切です。特に実際の資産の増減やキャッシュフローを把握するには、手取額を意識することが欠かせません。

短期トレードでは手取ベースの収益管理が重要であり、長期投資では税制優遇や再投資効果も含めた全体的な視点で評価することが、より適切な判断につながります。

株式
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました