個人向け日本国債の解約時に損失が発生するか?計算方法と注意点

資産運用、投資信託、NISA

個人向け日本国債(変動10年、固定5年、3年など)の解約を検討する際、多くの人が「中途換金すると赤字になるのか?」という疑問を抱きます。この記事では、個人向け国債の解約時に発生する可能性のある金銭的な損失について、具体的な計算方法とともに解説します。

個人向け日本国債とは?

個人向け日本国債は、個人投資家向けに販売されている日本政府の国債で、税制優遇措置や安定した利子が特徴です。日本政府が発行するため、元本保証があり、比較的低リスクであることから、安定的な投資先として人気があります。

個人向け日本国債には、変動金利型(変動10年)や固定金利型(固定3年、固定5年)などの種類があり、購入時に金利が設定されます。しかし、これらの国債は、満期前に解約(中途換金)すると、利息の取り扱いや元本の計算方法に影響が出ることがあります。

中途換金時に赤字になる条件

中途換金による赤字は、利息の取り扱いや換金時に発生する調整金額によって決まります。具体的には、換金時に「額面金額+経過利子相当額」から、直前2回分の利子(税引前)の相当額×調整係数(0.79685)が引かれます。

この計算式に基づいて、以下の式を使って実際に換金時に発生する金額を求めることができます。

額面金額+経過利子相当額-〔直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685]

したがって、解約をするタイミングによっては、プラマイゼロに近い状態、または多少の赤字が発生する可能性があります。ただし、一般的に短期間で解約すると利子が少なく、元本に対して損失を被るリスクがあります。

具体的なケーススタディ

質問者様の例では、個人向け国債変動10年(第162回)の利率が税引前0.43%、税引後0.3426465%という条件で、800万円を購入したケースです。この場合、解約するタイミングによって以下の計算を行います。

例えば、解約時に「利子調整額」を戻すだけであれば、基本的に元本を取り戻すことができますが、解約時に調整される利子額や経過期間を考慮すると、若干のマイナスが発生することもあります。

新窓販国債の利点と機会損失

解約後に新窓販国債(税引き後0.854%)を購入する予定である点についても考慮すると、新窓販国債は固定金利型のため、変動10年国債よりも安定した利回りが期待できます。例えば、400万円を新窓販国債に回す場合、年間で34,160円の利子が期待できます。

ただし、最初に支払った購入費用(額面金額100円につき0.2761643円)も考慮する必要があります。この費用は、新窓販国債購入時に支払う初回の調整額に影響しますが、それでも全体的に見れば、固定金利の方が有利な場合が多いです。

まとめ: 解約と再投資の戦略

個人向け日本国債を解約する際には、利子調整額や中途換金時に引かれる調整額を考慮する必要があります。短期間での解約は、利子が少ないため金銭的な損失を被る可能性が高いですが、再投資することで長期的な利益を得ることができます。

新窓販国債の購入や他の投資商品の検討も、適切なタイミングで行うことで、機会損失を最小限に抑えることができます。個人向け国債は、安定した投資先ではありますが、解約のタイミングとその影響について十分に理解しておくことが重要です。

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