近年、日本では「オルカン」(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))が個人投資家に爆発的な人気を誇っています。しかし、世界を見渡すとS&P500に連動した投資信託の方が多く選ばれている傾向があります。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?本記事では、オルカンとS&P500の人気の差を、構成・背景・投資文化など多角的に解説します。
オルカンとは?全世界株式の魅力
オルカンは、MSCIオールカントリーワールドインデックス(ACWI)に連動し、米国を含む先進国・新興国の約3,000銘柄に分散投資する投資信託です。日本では「一本で世界に投資できる」手軽さと分散効果から、多くの長期投資家に支持されています。
eMAXIS Slimシリーズの中でも、オルカンは特に低コスト(信託報酬0.05%台)かつ人気で、つみたてNISA口座でも選ばれることが多いです。
S&P500の圧倒的支持|アメリカ人にとっての常識
一方、米国をはじめとする海外では、S&P500指数に連動するインデックスファンド(例:VOO、IVV、SPY)が主流です。S&P500は、米国経済の中核企業500社を対象にしており、AppleやGoogle(Alphabet)、Amazonなどの超大型株が含まれます。
米国市場の成長率・企業収益性・イノベーション力の高さから、国内外の投資家にとって「世界の成長は米国が牽引する」と考えられているため、S&P500が自然と選ばれている背景があります。
なぜオルカンは日本で支持されているのか?
日本では「投資に慣れていない層」への普及を意識した教育と制度設計(例:つみたてNISA)が浸透しています。その中で、全世界に分散投資するオルカンは「これ一本で安心」という心理的ハードルを下げる役割を果たしています。
また、日本人にありがちな「慎重な投資行動」にもマッチしており、「どの国が将来伸びるかわからないなら全部買おう」という合理的で保守的な選択肢として人気を博しています。
海外では「米国=世界」という認識も
特にアメリカでは、S&P500に投資することが「十分な国際分散」と認識される傾向もあります。実際に、S&P500の構成企業の多くがグローバルに事業を展開しており、米国株を通じて世界経済にも投資できているという論理です。
例えば、Appleの売上の約60%以上は海外市場から得ており、MicrosoftやMetaも世界中のユーザーを抱えています。こうした背景から、わざわざ全世界に投資する必要性を感じない人も多いのです。
インデックス選びは「好み」と「目的」による
オルカンもS&P500も、それぞれに合理的な理由があります。どちらが優れているかというより、「自分のリスク許容度」「投資期間」「将来への見通し」などから最適な選択肢を選ぶことが大切です。
・安定と分散を求めるならオルカン
・高い成長性を求めるならS&P500という使い分けもおすすめです。
まとめ|自分に合った資産形成を
オルカンが日本で人気なのは、日本人投資家の志向や制度設計によるものであり、海外でS&P500が選ばれるのもまた合理的な背景があります。最終的には、自分の考え方と目標に合ったインデックスを選ぶことが最も重要です。
今後の市場環境やライフステージの変化に合わせて、柔軟に運用スタイルを見直していくことが、安定した資産形成への近道となるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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