高金利通貨として人気を集めてきたトルコリラ円(TRY/JPY)のスワップ投資。特にレートが低下した現在、「底値圏での再エントリーはチャンスでは?」と考える投資家も少なくありません。しかし、スワップ狙いの長期投資には見落としがちなリスクも潜んでいます。
トルコリラの過去と現在:下落の歴史
かつて16円台で取引されていたトルコリラ円は、2024年には3円台に突入するなど、長期にわたり下落基調が続いています。これはトルコのインフレや金融政策、地政学リスクが大きく影響しています。
トルコ中銀が利上げを繰り返しても、リラ安が止まらない構図が続いており、通貨の信用回復には長期の時間が必要です。
スワップポイントの魅力と罠
たしかに現在のスワップポイントは1日あたり数十円~数百円の水準で推移しており、長期保有でのインカムゲインは魅力的に見えます。外為ドットコムのシミュレーターによると、レバレッジ2倍・3年間で200万円を超えるスワップ収入が見込めるケースもあるようです。
しかし、スワップポイントは政策金利や為替市場に左右される変動要素であるため、将来の収益を保証するものではありません。2020年にはスワップが急減した時期もありました。
仮に0円まで下がっても…本当に“知れている”のか?
トルコリラが1円を下回った場合でも「損失は限定的」と考える方もいますが、ロスカットリスクやスプレッド拡大も無視できません。特にレバレッジをかけている場合、証拠金維持率の低下で予期せぬ強制決済が起きることもあります。
また、リラ円が0円になるという極端なシナリオも完全に非現実とは言い切れず、投資額の全損リスクは理論上残されています。
スワップ投資の現実的な戦略
スワップ狙いで安定収益を目指すなら、以下のような戦略が考えられます。
- 証拠金を多めに確保し、レバレッジを抑える
- スワップポイントの実績推移をチェックしておく
- 一定期間ごとに利益を確定するルールを設ける
- トルコの経済政策や金利動向に目を光らせる
実際、レバレッジ1倍前後でゆるやかにポジションを積み上げ、年利10~15%のスワップ収入を目指す個人投資家も存在します。
「甘い」かどうかを判断する基準
スワップ投資を再開するにあたり、「甘い」とされるかどうかの判断は、想定外の下落への備えがあるかどうかにかかっています。単純に“損失は知れている”と考えてしまうと、リスクを軽視しがちです。
また、過去にロスカットを経験しているのであれば、当時の教訓をどれだけ戦略に活かせるかが重要です。
まとめ
トルコリラ円のスワップ投資は魅力的な一方で、高い通貨リスクを伴います。スワップポイントの魅力だけにとらわれず、損失の最大幅・強制決済リスク・スプレッドなどの実務的リスクを加味した冷静な戦略が求められます。
「考えが甘いか?」の問いに対しては、適切な資金管理とリスク認識があれば、甘いとは限りません。ただし、再チャレンジする際には徹底した準備と情報収集が欠かせません。

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