政治的・社会的な変化が理由で投資戦略を見直すというのは、個人投資家として自然な反応です。特に、信頼を置けないと感じる要因が自国にある場合、資産の一部を海外へ移すという選択肢は合理的です。今回は、日本株から撤退を検討している方向けに、FANG+やその他の海外資産の特性や、リスク分散の視点からの戦略について解説します。
FANG+とは?注目される理由と構成銘柄
FANG+は、米国のテクノロジー系メガ企業で構成される株価指数で、次の10銘柄からなります:Facebook(Meta)、Apple、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)、Microsoft、NVIDIA、Tesla、Alibaba、Baidu。
これらは世界的に影響力のある企業であり、高い成長性が魅力です。特にAIやクラウド、電気自動車といった成長テーマと密接に関わっており、将来性を見込む投資家に人気です。
FANG+のリスクと注意点
成長性の高いFANG+ですが、以下のようなリスクにも注意が必要です。
- 銘柄集中リスク:10銘柄に過度に依存している
- 米国金利上昇時に下落しやすい
- バリュエーションが高いため、下落時のボラティリティが大きい
たとえば、2022年の利上げ局面ではFANG+関連銘柄が軒並み大きく調整しました。期待値は高いものの、長期目線とリスク許容度のバランスが問われます。
分散投資の観点からおすすめの資産クラス
FANG+一本に絞るのではなく、以下のような資産と組み合わせてポートフォリオを構築すると安定感が増します。
- 全世界株式インデックス(VTやオルカン)
- 新興国株式(VWOなど)
- 米国高配当ETF(VYM、HDV)
- 米ドル建て債券や金(GLD)
例えば「FANG+に30%、全世界株に40%、残り30%を債券や現金」に振り分けることで、攻守のバランスを取った投資が可能になります。
政治不安から資産を守るなら地理的分散が鍵
一国依存のリスクを避けるためには、通貨や法制度が異なる地域へ分散することが重要です。米国以外では、欧州(スイス、ドイツ)、カナダ、オーストラリアの優良株やETFも候補になります。
たとえば、スイスのネスレやロシュ、カナダのロイヤルバンクなどは、比較的安定した収益と配当を持つ国際企業です。
日本株を一部残すのも戦略の一つ
完全撤退が不安な場合は、国内株の中でも政治リスクに左右されにくい、グローバル展開企業やディフェンシブ銘柄(花王、キーエンス、KDDIなど)を少量残すという方法もあります。
また、為替の影響も加味して「円資産」としてのバランスを保つ視点も忘れずに。
まとめ:感情に流されず冷静な再構築を
政治的・社会的要因は投資判断に影響を与えますが、一時の感情で大きな方針転換をすると、後々後悔する可能性もあります。投資の目的は資産の最大化とリスクコントロールであり、その視点を忘れずに、FANG+などの成長資産と安定資産のバランスを意識した構成を心がけましょう。
信頼できるファイナンシャルプランナーや証券会社のアドバイザーと相談しながら、冷静な資産運用戦略を再構築していくことをおすすめします。

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