株式市場が高騰を続ける中で、かつて投資判断のバロメーターとされた「バフェット指数」に対し、『もう使えないのでは?』という声も増えてきました。特にアメリカや日本では、長年にわたり100を超えた水準が常態化し、指標としての信頼性に疑問を感じる投資家も少なくありません。しかし、果たして本当にバフェット指数は時代遅れなのでしょうか?今回はこの指標の基本から現在の評価まで、分かりやすく紐解いていきます。
■ バフェット指数とは?その基本的な計算式
バフェット指数は「株式市場全体の時価総額 ÷ 名目GDP × 100」で算出されます。この指標は、伝説の投資家ウォーレン・バフェット氏が「市場の割高・割安を示す最良の単一指標」として紹介したことから注目を集めました。
たとえば、日経平均やS&P500といった株価指数ではなく、国全体の株式市場規模と経済規模(GDP)とのバランスに着目する点が特徴です。数値が100を大きく上回れば「株価が割高」、下回れば「割安」とされてきました。
■ なぜ今、バフェット指数が“機能しない”と言われているのか?
一部の投資家からは、「アメリカも日本も長年バフェット指数が100を超えているのにバブルは崩壊しない」という指摘があります。たしかに米国ではコロナショック以降、指数が150〜200を超える水準が続いており、それでも株価は上昇を続けています。
この背景には、金利の低下、金融緩和、グローバル企業の利益増、テクノロジー株の台頭など、単純なGDP比では測れない要因が複雑に絡んでいることがあります。特にアメリカではGAFAを筆頭に、国外で多くの売上を稼ぐ企業が時価総額の大部分を占めており、名目GDPと乖離しているのです。
■ バフェット指数は参考にならない?それとも使い方次第?
結論から言うと、バフェット指数は「唯一の絶対的な指標」ではありませんが、長期的視点での市場全体の評価としては今でも一定の有効性を持ちます。
たとえば、2000年のITバブル崩壊直前や2008年のリーマンショック前にも、バフェット指数は高水準を記録していました。短期的な予兆にはならなくても、「今の市場が過熱しているか」を俯瞰する材料にはなり得ます。
■ 現在の数値と投資家の実際の使い方
2024年時点でのアメリカのバフェット指数はおよそ170〜180、日本は140〜150前後とされています。過去と比べると高水準であることは間違いありません。
しかし、多くのプロ投資家はこの指標を単独で鵜呑みにせず、PER、PBR、金利、企業業績、マクロ経済など他の情報とあわせて総合的に判断しています。個人投資家にとっても「今は割高傾向だから投資配分を少し抑える」など、補助的な判断材料として使うのが現実的です。
■ 実例:投資戦略への活かし方
たとえば、「バフェット指数が150を超えているときは株式の購入を控え、現金比率を高める」「逆に指数が100を下回る局面では積極的に投資する」といったシンプルなルールで資産管理する投資家もいます。
また、オルカンやS&P500などのインデックス投資を行う場合でも、投資タイミングの参考指標の一つとして役立てている人は少なくありません。
■ まとめ:バフェット指数は“効かない”のではなく“活かし方”がカギ
・バフェット指数は市場全体のバリュエーションを測る長期指標
・現代の市場構造(国際化、低金利)により、単独での活用は難しい面もある
・依然として長期的な割高・割安感を掴むには有効なツール
・他の指標や状況と組み合わせて参考にするのが現代的な使い方
つまり「バフェット指数はもう使えない」と切り捨てるのではなく、その背景や限界を理解し、上手に活かすことが、今の投資家に求められる視点と言えるでしょう。

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