テクニカル分析において、多くのトレーダーが参考にするのが「グランビルの法則」です。これは移動平均線(MA)と価格の関係から、売買タイミングを判断するための8つのシグナルを示した理論です。この記事では、グランビルの法則の基本から、MA押し戻り(いわゆる押し目買いや戻り売り)を狙う戦略までを、具体的なチャート例とともに解説します。
グランビルの法則とは?
グランビルの法則は、チャールズ・グランビルによって提唱されたもので、移動平均線の動きと価格の関係性から8つのエントリーシグナルを導き出しています。上昇トレンドでは押し目買い、下降トレンドでは戻り売りが主なエントリーポイントとされます。
例えば、価格が移動平均線の上にあり、押しが入ったあと再びMAを下から上に抜ける動きは「買いシグナル(1番)」とされます。逆に、価格がMAの下にある状態から一時的に戻したあと、再び下落するのは「売りシグナル(5番)」です。
MA押し戻りとは何か?
「MA押し戻り狙い」とは、価格が移動平均線に対して一時的に戻る動きを利用して、トレンド方向にエントリーする戦略です。上昇トレンド中であれば、価格がMAまで下がったタイミングで「押し目買い」、下降トレンドではMAまで上がったところで「戻り売り」を狙います。
この戦略はグランビルの法則の1番・5番と非常に相性が良く、特にトレンドが明確な局面では高い勝率が期待できます。
グランビルの法則×MA押し戻りの実例
以下は実際のチャートに基づいた例です。
- 上昇トレンド:米国株のアップル(AAPL)の日足チャートにて、20日移動平均線に対して価格が一度押しを作り、再上昇した場面。
- 下降トレンド:ドル円為替チャートにて、価格が75日線まで戻した後、再度下降する動き。
どちらも押し戻りの後にローソク足がMAを反発して動いたのを確認してからエントリーするのが理想です。
注意点とリスク管理
MA押し戻りは効果的な手法ですが、以下のような注意点があります。
- レンジ相場では機能しにくい
- 騙しの動き(フェイクアウト)に注意
- エントリー時には損切りラインの設定が必須
特に、トレンドの方向性が曖昧な局面では、MAの傾きがフラットになり、グランビルの法則が機能しにくくなります。リスクを抑えるためにも、他のテクニカル指標(RSI、MACDなど)との併用がおすすめです。
MAの期間選定とその意味
多くのトレーダーは20日、50日、200日などのMAを使います。短期のMA(5〜25日)は敏感に反応し、デイトレードに適していますが、ノイズも多くなります。中長期のMAはトレンドの大局を掴むのに有効です。
「どのMAを使うか」で戦略の性格が大きく変わるため、自身の投資スタイルに応じた期間選定が重要です。
まとめ:グランビル理論を活かした実践的トレードへ
グランビルの法則とMA押し戻りを組み合わせることで、トレンドに沿った堅実なトレードが可能になります。ただし、万能ではないため、相場環境の把握や損切り管理など、基本を忘れずに運用することが重要です。
実際のトレードでは、過去のチャートを用いた検証や、仮想取引を通じて経験を積むことが成功への近道です。

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