基準価額の違いで利益は変わる?投資信託の価格とリターンの関係を徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

「基準価額が1万円と3万円の投資信託に同額を投資した場合、将来のリターンに差はあるのか?」という疑問は、投資信託選びでよくある勘違いのひとつです。本記事では、投資信託の基準価額と運用益の関係について、初心者でも理解しやすいように解説します。

基準価額とは?価格の高低は何を意味するのか

投資信託の基準価額は、そのファンドが1万口(通常)あたりどれだけの価値を持っているかを表した指標です。株価のように変動しますが、価格の高い・安いはパフォーマンスの良し悪しではありません

たとえば、Aファンドが10,000円、Bファンドが30,000円でも、Bが優れているとは限らず、単に過去の運用や分配方針の違いによるものです。

同額投資した場合、重要なのは「上昇率」

仮にそれぞれの投資信託に1万円を投資したとして、どちらも基準価額が2倍になった場合、利益は同じく1万円分に対して2倍となるため、差はありません

例:
・基準価額10,000円のファンド → 1万円で1口購入 → 2倍(20,000円)になれば1口=2万円 → 利益=1万円
・基準価額30,000円のファンド → 1万円で0.333口購入 → 2倍(60,000円)になれば0.333口=約2万円 → 利益=1万円
つまり、基準価額がいくらかではなく、どれだけ上昇するかが重要です。

投資信託は口数ベースで管理される

投資信託を購入する際は「金額指定」で買うと、基準価額に応じた口数(ファンドの単位)を購入する形になります。そのため、基準価額が高くても低くても、同額なら同じように利益が出る仕組みです。

これは株式のような「株数ベース」ではなく、「口数ベース」で管理されている投資信託ならではの仕組みです。

分配金と基準価額の関係も知っておこう

投資信託の中には「分配金あり」と「分配金なし」があります。分配金が出るとその分基準価額が下がるため、一見価格が上がりにくく見えるかもしれません。

このため、分配金の有無や方針も価格に影響しており、「基準価額が安い=割安」とは限らない点に注意が必要です。

注意点:手数料や信託報酬で実質リターンは変わる

基準価額自体にリターンの差がなくても、ファンドによって信託報酬(運用管理費用)や購入手数料の差があります。長期投資では、コストの違いが複利的に大きな差を生むこともあります。

そのため、価格以外にも「コスト」「運用方針」「資産配分」「実績」などを見て投資先を判断することが大切です。

まとめ:価格に惑わされず、パフォーマンスとコストを重視しよう

結論として、基準価額が10,000円でも30,000円でも、同額を投資した場合に価格が2倍になれば利益は同じです。投資信託選びで大切なのは、価格の高低ではなく、将来どれだけ価値が増えるかという点です。

そのため、見かけの価格ではなく、トータルリターンや信託報酬などを比較しながら、長期的に安定した成果が見込めるファンドを選ぶことが投資成功のカギとなります。

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