注目企業が株式上場（IPO）を発表すると、その成長性や話題性から多くの投資家が購入を検討します。特に初値が大きく上がるケースもあり、IPO株投資は魅力的に映ります。ですが、IPO株は誰でも簡単に買えるものではなく、購入方法やタイミングには特有のルールが存在します。今回は、IPO株の購入方法やそのメリット・リスクについて、初心者にも分かりやすく解説します。
IPOとは何か？基本をおさらい
IPO（Initial Public Offering）とは、企業が証券取引所に株式を新たに公開し、一般の投資家がその株を買えるようにすることを指します。非上場企業が上場することで資金調達や知名度向上を図る一方、投資家にとってはその企業の成長性を期待して早期に投資できるチャンスです。
IPO株は証券会社を通じて事前に申し込む必要があり、公開価格（募集価格）で買える「抽選参加型」と、上場当日の市場で購入する「初値買い」があります。
IPO株を買うには？主な2つの方法
1. 抽選に参加する方法（ブックビルディング方式）
上場前に証券会社が「需要申告（ブックビルディング）」を募集し、その後抽選でIPO株の購入者が決まります。人気のある銘柄は倍率が非常に高く、当選するのはかなりの幸運と言えるでしょう。
2. 上場初日に成行注文で購入
抽選に外れた人や事前申し込みをしていない人は、上場日の朝に証券会社の取引ツールから成行または指値で購入を試みることが可能です。ただし、上場直後は需要が集中し、初値が公開価格を大きく上回ることも多いため、高値づかみになるリスクがあります。
IPO株購入のメリットと注意点
メリット：公開価格で購入できれば、上場後に値上がりする可能性が高いこと。特に成長期待のある企業や話題性のある企業は、初値が公開価格を2倍以上になるケースも。
注意点：必ず儲かるとは限らず、公募割れ（初値が公開価格を下回る）する場合もあります。また、初日に高値で購入すると、その後値を下げることも多いため慎重な判断が必要です。
抽選に強い証券会社を活用しよう
IPOの抽選に参加するには、取り扱いのある証券会社の口座が必要です。以下は代表的な証券会社とその特徴です。
- SBI証券：申込数に応じたポイント制度があり、継続参加にメリット
- 楽天証券：比較的参加しやすく、完全抽選型
- 大和証券・野村證券：主幹事になることが多く、当選確率が高い
複数の証券会社に口座を持ち、機会を増やすのも一つの戦略です。
実際の体験談：IPOで成功したケース
ある個人投資家は、2023年にSBI証券を通じて新興IT企業のIPOに当選。公開価格2,000円で購入し、初値で5,200円をつけて売却。約16万円の利益を得たといいます。
しかし、別の銘柄では公開価格3,000円に対して初値2,700円という公募割れも経験。短期目線だけでなく、企業の成長性を見る目も重要です。
まとめ：IPOは魅力的だが冷静な判断を
IPO株は一攫千金を狙える投資機会である一方、初値の乱高下や公募割れのリスクもあります。抽選に参加するか、上場初日に市場で買うか、それぞれにメリットと注意点があります。期待する企業が上場する際は、事前に情報を集め、冷静に判断してチャンスを活かしましょう。
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