インフレに強い資産とは?今あらためて見直される金(ゴールド)の魅力と限界

経済、景気

物価上昇が続く中、現金や預金だけで資産を守ることに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そんな中で「インフレ対策には金(ゴールド)が最適なのでは?」という声も増えています。本記事では、金がなぜインフレ対策として有効とされるのか、そのメリットと注意点を具体例とともに解説します。

インフレとは何か?資産価値が目減りする仕組み

インフレとは、物価が持続的に上昇する現象を指します。たとえば、昨年まで100円で買えていたパンが今年は120円になっている状態です。こうなると、現金の購買力が低下してしまい、持っているお金の価値が実質的に下がることになります。

このような状況では、実物資産やインフレに連動しやすい資産が注目され、その代表格が金(ゴールド)なのです。

金(ゴールド)がインフレに強いとされる理由

金は中央銀行や政府の信用を必要とせず、世界中で通用する「価値の保存手段」として長年評価されてきました。特に以下の点がインフレ対策としての強みです。

  • 供給が限られている:埋蔵量に限界があるため、希少価値が保たれやすい。
  • 法定通貨とは無関係:通貨価値が下がっても金の価値は相対的に安定しやすい。
  • 世界共通の価値尺度:戦争や金融危機などでも逃避資産として機能。

たとえば、2022年の米国のインフレ率が8%を超えた際、金価格は一時的に急騰しました。

金投資の具体的な方法

金はさまざまな形で投資可能です。初心者にとって取り組みやすい方法は次のとおりです。

  • 金地金・コイン:実物を購入。手数料や保管場所が必要。
  • 金ETF:証券口座で手軽に売買できるファンド型。分散性が高い。
  • 純金積立:毎月一定額を積み立てる。ドルコスト平均法を活用。

たとえば楽天証券やSBI証券では、月1,000円から純金積立が可能です。

「金一択」で本当にいいのか?リスクと他の選択肢

金は安全資産ではありますが、価格変動がまったくないわけではありません。2008年のリーマンショック後、一時的に金価格も下落しました。金は利子を生まないため、長期的に見れば他の資産よりリターンが劣る可能性もあります。

そのため、インフレ対策としては以下のような他の資産も検討すべきです。

  • インフレ連動国債
  • 不動産・REIT
  • コモディティファンド(エネルギー・農産物含む)
  • グローバル分散株式投資

金を全資産にするのではなく、資産の5~10%程度を目安に分散投資するのが現実的です。

金と他の資産を組み合わせるポートフォリオの考え方

インフレ時代の資産運用では、複数の資産を組み合わせてリスクを抑える「分散投資」が鍵です。たとえば、以下のような例が考えられます。

  • 株式:60%(うち海外インフレ対応株40%)
  • 金:10%
  • REIT:10%
  • インフレ連動債:10%
  • 現金:10%

このようにすれば、インフレへの耐性を高めながら成長性も確保できます。

まとめ:インフレ対策に金は有力だが「一択」ではなく「分散」が基本

金はインフレ対策として歴史的に高く評価されてきた資産ですが、「金だけ」に資産を集中させるのはリスクが高すぎます。価格変動リスクや機会損失を避けるためにも、株式や債券など他の資産と組み合わせた分散投資を心がけましょう。

インフレに強い資産を取り入れつつ、自分のライフスタイルや投資目的に合った戦略を立てることが、長期的に資産を守るカギとなります。

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