日本株が急落したとき円買いが進むとどうなる?海外投資家の動向と株価回復の関係を読み解く

株式

日本株が急落した際に海外投資家がどのような動きを見せるかは、株式市場の回復スピードを占ううえで非常に重要な指標です。特に「株を売却して円を買う」という流れが生じたとき、市場はどのような反応を示すのでしょうか。本記事では、為替と株式市場の関係、海外勢の動きの意味、そして株価回復への影響について解説します。

日本株急落時に起こる典型的な資金フロー

日本株が急落する局面では、リスク回避の売りが先行し、特に海外投資家は短期的に資金を引き上げる傾向があります。その際、円建て資産を売却することで円を買い戻す形となり、「株安・円高」という典型的なパターンが生じます。

この「株安と円高」の同時進行は、日本企業の業績見通しにもマイナス影響を与えるため、株価の回復が鈍化しやすくなります。

海外投資家の円買いの背景と意味

海外投資家が円を買う理由にはいくつかの背景があります。まず、円は「リスク回避通貨」として知られており、地政学的リスクやグローバル金融不安があると、安全資産として買われやすくなります。

加えて、日本株売却に伴い得られた資金を外貨から円に戻す必要があるため、「実需としての円買い」も発生します。これにより短期的に円高が進みます。

円高は日本株にとって逆風となる

円高は、輸出企業の収益を圧迫する要因となり、業績見通しの悪化から株価にもネガティブな影響を与えます。特に自動車や電子部品など輸出比率の高い企業は、為替感応度が高く、為替が1円動くだけで営業利益に数十億円の影響が出ることも珍しくありません。

そのため、円高局面では株価の回復が遅れやすいという構図が生まれます。

過去の事例:円買い主導の株安と回復の時間軸

例えば、2020年3月のコロナショック時には、日本株が急落しつつも一時的に円高が進行しました。この時期、海外勢の日本株売り+円買いが観測され、日経平均は回復に数ヶ月を要しました。

また、2008年のリーマンショック時にも、リスク回避の円買いが進み、円高・株安が同時進行しました。株価が底を打つには政策対応や為替安定が必要だった点が共通しています。

円高が収まると回復への期待も高まる

一方で、円高の動きが一巡し、為替相場が安定に向かうと、海外投資家も再びリスク資産である日本株へ資金を戻しやすくなります。

特に円高がピークを過ぎた後には、リターン狙いの外国人買いが入りやすく、株価の反転につながることも多いです。つまり、「円買い=長期の株安」というわけではなく、タイミングを見極めることが重要です。

まとめ:円買い局面では回復に時間がかかるが、終息後は反発の兆しも

日本株急落時に海外投資家が円を買いながら株を売却する局面では、株価の回復には一定の時間を要する傾向があります。為替の動きが株式市場に与える影響は大きく、特に円高局面は業績見通しに重しとなるため、株式市場の反転には円買い圧力の落ち着きがカギを握ります。過去の相場と照らし合わせながら、為替動向と株価の関係を冷静に見極めていくことが、投資判断の精度を高める一助となるでしょう。

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