PTS市場でも仕手筋は存在する?私設取引システムに潜む仕掛けの実態とは

株式

株式取引の経験がある方なら、日中の取引時間外にも売買できるPTS(私設取引システム)をご存知かもしれません。しかし、PTS市場でも時に「仕手筋」と呼ばれる投資家たちの意図的な仕掛けが話題になることがあります。本記事では、PTSにおける仕手的な動きの有無と特徴について解説します。

PTSとは?仕手が介入する余地がある理由

PTS(Proprietary Trading System)とは、証券取引所外で行われる株式取引の仕組みで、ジャパンネクスト証券やチャイエックスなどが代表的な運営者です。多くのPTSは取引所が閉まった後の夜間でも取引が可能なため、日中の値動きの影響や材料に素早く反応する個人・機関投資家が利用しています。

しかし、PTSは板(気配情報)が薄くなることが多いため、大量注文による価格の上下が通常よりも激しくなる傾向があります。これが「仕手的な動き」を招きやすいとされる理由の一つです。

PTSで仕手筋が行う典型的な仕掛け

PTS市場で仕手筋が利用するテクニックには以下のようなものがあります。

  • 見せ板:実際には約定するつもりのない大口注文を出して相場の雰囲気を操作しようとする行為。
  • 吊り上げ買い:自ら高値で連続的に買い注文を入れて価格を一時的に引き上げ、出来高が増えたように見せかける。
  • 価格維持売り:下落しないように成行買いを連発し、好印象を与えつつ売り抜ける準備をする。

これらの動きは、PTSの参加者が少なく、流動性が低い時間帯で特に目立ちやすくなります。

PTSでの取引は情報の少なさがリスクに

PTS市場は、取引所と異なりリアルタイムでの詳細な気配情報や出来高が把握しづらいことがあります。そのため、相場に慣れていない投資家が過信して飛び込むと、意図せず高値掴みをしてしまう危険があります。

また、PTSで起きた不自然な値動きは、翌営業日の始値に影響を与えることもあるため、仕手筋の動きが翌日に波及する可能性もあります。

個人投資家が注意すべきポイント

PTSでの仕手的な動きに巻き込まれないためには、以下の点に注意が必要です。

  • 出来高が極端に少ない銘柄へのPTS取引は避ける
  • 見せ板や急騰急落など不自然な動きには警戒する
  • 材料やIR発表などの裏付けがない急騰には飛びつかない
  • 板の深さや注文履歴を観察し、短時間での変化をチェックする

感情に流されず、冷静に相場の動向を見極めることが重要です。

実例:PTSで高値掴みしてしまったケース

ある銘柄が通常取引終了後にIR発表され、夜間PTSで急騰。その情報を見て成行買いを入れた個人投資家が多く、価格は20%以上跳ね上がりました。しかし翌日の通常市場では市場の反応が鈍く、始値から大きく下落。そのPTS高値で買った投資家は含み損を抱える結果となりました。

このように、PTSの動きは短期的・心理的な要素が強く、情報が精査されないまま価格が暴騰・暴落する例もあります。

まとめ:PTSでも仕手的動きは起こり得るため慎重な判断が必要

PTS市場でも流動性の低さや監視の緩さから、仕手筋による仕掛け的な動きが起こる可能性は十分にあります。見せかけの動きに惑わされないためには、冷静な観察力と情報の裏取り、そして適切なリスク管理が重要です。

PTSを活用することで収益機会を広げることも可能ですが、その特性とリスクを十分理解したうえで利用するようにしましょう。

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