2024年からスタートした新NISA制度は、非課税枠の拡充や恒久化により、ますます多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。すでに旧NISA口座を開設している方の中には、「新NISAは別の証券会社で始めたい」と考える方も多いのではないでしょうか。この記事では、旧NISA口座を保有している場合に新たに別の証券会社で新NISA口座を開設するための具体的な手順や注意点を解説します。
旧NISAと新NISAは制度が別物
まず大前提として、旧NISAと新NISAは制度上別物です。旧NISAは2023年で終了し、2024年以降は新NISAが導入されました。旧NISAで投資していた資産は、非課税期間終了までそのまま保有可能ですが、新NISAを利用するには新たに口座開設が必要です。
そのため、旧NISA口座を開設していた証券会社と異なる証券会社で新NISA口座を作ること自体は可能ですが、一定の手続きが必要となります。
新NISA口座の開設は1人1口座が原則
新NISAも旧NISAと同様に「1人1口座」が原則です。複数の証券会社で同時に新NISA口座を保有することはできません。よって、すでに別の証券会社で新NISA口座を開設している場合や旧NISAの影響が残っている場合、証券会社間の切り替えが必要になります。
ただし、旧NISAがあったからといって、新NISAの自動開設はされないため、自ら手続きする必要があります。
別の証券会社で新NISA口座を開設する流れ
1. 新たに開設したい証券会社（B社）で新NISA口座開設の申請を行う
2. 税務署による重複確認が行われる（通常、1〜2週間）
3. 旧NISA口座のある証券会社（A社）に「非課税口座廃止届出書」など必要書類を提出
4. B社で新NISA口座の開設が完了
証券会社によっては、手続きの一部を代行してくれる場合もありますが、旧NISA口座の廃止届出は自分で対応する必要があるケースが多いです。
旧NISA口座の廃止が必要な理由
新NISA口座を別の証券会社で開設するためには、税務署側での重複チェックがあり、旧NISA口座の情報が影響を与える場合があります。とくに、旧NISAの情報が税務署に登録されたままだと、新NISA口座の開設が保留となることがあるため注意が必要です。
そのため、旧NISA口座を閉鎖（廃止届出）してから新たに口座開設を申請するのが基本的な流れとなります。
具体例：A証券からB証券へ乗り換える場合
例として、旧NISAをA証券で開設していた方が、B証券で新NISAを始めたい場合、以下の手順となります。
- A証券に連絡し、非課税口座の廃止届出書を提出する
- 税務署への情報反映を待つ（おおよそ1〜2週間）
- B証券で新NISAの口座開設手続きを行う
この際、年内に口座開設を完了させたい場合は、早めの手続きが推奨されます。
まとめ：正しい手順を踏めば別証券会社での新NISA開設は可能
旧NISA口座を保有していても、廃止届出を行うことで別の証券会社で新NISAを開設することは可能です。新NISAは非課税枠の拡大などメリットが多く、より使いやすくなっているため、自分にとって最も条件の良い証券会社を選ぶことが資産形成の第一歩となります。
「面倒だから」と旧NISAの証券会社にそのまま任せるのではなく、自分に合ったサービスを選んで乗り換える行動も資産形成では重要です。
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