株式投資の世界にはさまざまなスタイルが存在しますが、年齢層や経験によって好まれる手法に傾向があるのも事実です。中でも、いわゆる“おっさん投資家”に多いとされるのが「押し目買い」戦略。なぜ彼らは安くなったタイミングを狙って買いを入れるのでしょうか?この記事では、その心理的背景や投資戦略、リスクとの向き合い方を解説していきます。
押し目買いとは?基本の投資スタイルをおさらい
押し目買いとは、株価が一時的に下落したタイミングを「買いの好機」と捉え、将来の上昇を見越して購入する手法です。「安く買って高く売る」を実現するための王道戦略の一つで、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の両面から判断されることが多いです。
例えば、トレンドが上昇基調にある中で一時的に調整が入り、移動平均線やサポートラインに接近したときに買いを入れることで、高値掴みのリスクを抑える効果が期待されます。
“おっさん投資家”が押し目買いを好む理由
経験豊富な中高年層の投資家が押し目買いを重視する背景には、次のような要素があります。
- バブル崩壊やリーマンショックなどを体験しているため、急騰相場に対して慎重になりやすい
- 企業の本質的価値に基づいた長期投資を好む傾向があり、割安に買うことが合理的と考える
- 生活資金と投資資金を明確に分けて運用しているため、焦らずチャンスを待てる
また、昭和世代に多い「堅実志向」や「値段交渉文化」が投資にも反映され、「高値掴みは損」とする価値観が浸透しているのも理由の一つと考えられます。
押し目買いの成功例と失敗例
成功例:コロナショック時に株価が急落した2020年3月、日経平均が16,000円台に突入した際に冷静に買い増した投資家は、その後の回復で大きな利益を得ることができました。
失敗例:2022年のグロース株下落局面では、「まだ下がる」と見て押し目買いを繰り返した結果、ナンピン地獄に陥って資金が尽きたケースもありました。これは“押し目”なのか“落ち目”なのかを見極める目が必要であることを示しています。
押し目買い戦略の注意点とリスク管理
押し目買いには一定の優位性がある一方で、明確な買いの根拠が必要です。「過去より下がったから」ではなく、「下げの要因が一時的かつ将来的に回復が見込める」ことを確認する必要があります。
以下の点を確認することで、失敗のリスクを下げることができます。
- チャート上でのサポートライン・移動平均線の位置を確認
- 企業業績に一時的な悪材料があるか(例:業績予想の下方修正など)
- 経済指標や金利動向など外部要因が影響していないか
加えて、「一括買い」ではなく「分割買い」でリスクを分散することも有効な手段です。
結論:押し目買いは“信条”ではなく“戦略”である
「おっさん投資家は押し目買いしかしない」という見方には一理ありますが、実際には年齢や性格以上に、市場経験と資産運用に対する価値観が反映されていると言えます。
経験豊富な投資家ほど、「高値を追わない」「安く買うために待つ」ことの重要性を知っているため、押し目買いは理にかなった戦略なのです。年齢にかかわらず、冷静な判断とリスク管理に基づいた押し目買いは、資産形成における有効な武器となります。
まとめ
押し目買いは「安く買って高く売る」という投資の基本に忠実な手法であり、“おっさん投資家”に限らず、長期的に資産を育てたい全ての投資家にとって有効な戦略です。大切なのは、価格の下落を「チャンス」と捉えつつも、リスクを的確に見極めて行動すること。投資に年齢の壁はなく、経験が知恵となるのが真の強みです。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント