コロナ禍やロシア・ウクライナ戦争などを背景としたコストプッシュ型のインフレが続く中、世界各国が物価高騰に苦しんでいます。日本やアメリカだけでなく、ヨーロッパや新興国でもインフレ率の上昇が顕著です。しかし、そのような状況下でも比較的経済的に好調とされる国も存在します。この記事では、2024年〜2025年時点で「調子の良い国」に注目し、その背景や特徴を解説します。
インフレ下でも成長する国の共通点とは
インフレが世界的に進行する中で、経済成長を維持している国にはいくつかの共通点があります。たとえば、エネルギーや鉱物資源の輸出国であり、インフレによる資源価格上昇の恩恵を受けているケースが多く見られます。また、人口増加と内需の強さに支えられている国も経済的に堅調です。
また、インフレを抑えつつも過度な金利引き上げを避けることで、消費や投資を下支えしている国も存在します。
インド:人口ボーナスと内需成長が原動力
インドは現在、人口世界一となったことに加え、急速な経済成長を続けています。IMFや世界銀行の予測でも2025年まで年率6%前後の成長が見込まれており、多国籍企業の製造拠点移転(チャイナプラスワン)の恩恵も受けています。
特にIT産業やバイオ、再生可能エネルギーなどの分野での投資が拡大し、世界中の企業が注目する新興国の代表格となっています。
アラブ首長国連邦(UAE):資源と金融のハイブリッド成長
UAEは原油価格の高止まりの恩恵を受けつつ、近年はドバイを中心に国際金融都市としても存在感を高めています。税制優遇と外国資本誘致の強化により、多くの富裕層や企業が進出しており、経済は堅調に推移しています。
また、仮想通貨やWeb3ビジネスへの規制緩和もあり、世界中のスタートアップ企業がUAEに拠点を置く動きも活発です。
メキシコ:地政学的メリットとアメリカ経済との連動
アメリカと地理的に近く、USMCA(北米貿易協定)の恩恵を受けるメキシコも注目されています。中国からアメリカへの製造移管に伴い、いわゆる「ニアショアリング」が進む中で、メキシコの工業生産は好調を維持しています。
為替が安定していること、そして豊富な労働力を背景に、自動車産業を中心とした製造業の輸出が拡大しており、景気は底堅く推移しています。
シンガポール:安定した金融・貿易ハブとしての地位
世界のインフレ下でも、シンガポールは物価上昇を抑えながら安定した経済を維持しています。アジアの金融センターとしての役割に加え、富裕層の資産移転先として注目を集めており、外資の流入が継続しています。
また、物流・航空の回復が進む中で、貿易と観光業も再び活気を取り戻しています。
先進国ではアメリカが底堅い成長を維持
アメリカでは依然として物価上昇が課題ではあるものの、雇用や消費が堅調であり、景気後退には至っていません。生成AIブームによるテック株の上昇や住宅市場の回復も、経済全体の底上げに貢献しています。
FRB(米連邦準備制度)が慎重な金融政策を取りつつも、ソフトランディングを実現できるとの期待が高まっています。
まとめ:世界の不安定さの中にも光る国々が存在する
世界がインフレや地政学リスクに直面するなかでも、インドやUAE、メキシコ、シンガポールといった国々は成長機会を着実につかんでいます。資源国かつ人口成長が続く新興国、または金融・ビジネス環境が整った都市国家などは、世界経済の変動にも比較的強い傾向があります。
世界のどこかが不調なときに別の地域が好調になる——という視点は依然として有効です。経済や投資の判断を行う際には、地域ごとの特性と構造的な強みに注目することが大切です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント