デイトレードを始める際に「値上がり率ランキングTOP10から分散して購入し、上がった銘柄だけ利確する」という戦略は一見シンプルで合理的に思えるかもしれません。しかし、この手法には見落とされがちなリスクや誤解が潜んでおり、実際の運用には慎重な判断が求められます。
値上がり率ランキング銘柄を買うことの意味
株価が短時間で急騰している銘柄には、何らかの材料(好決算、提携発表、思惑など)がある場合が多いです。そのため、デイトレーダーの注目も集まり、値動きが激しくなります。
しかし、急騰後の銘柄には「利益確定売り」や「仕手筋の撤退」によって急落するリスクもつきまといます。ランキング上位という理由だけで機械的に購入するのは危険です。
「上がったら利確・下がったら放置」のリスク
一見リスク分散されているように思えるこの手法ですが、実際は「損切りしない=損失拡大を放置する」という非常に危ういスタイルです。上昇銘柄だけを利確していくと、結果的にポートフォリオは下落銘柄ばかり残ってしまい、資金効率が悪化します。
特に新興市場銘柄やテーマ株は、急落した後に回復しないケースも珍しくなく、数ヶ月〜年単位で塩漬けになることもあります。
全銘柄が下がる可能性もゼロではない
「10社買えば全社下がることはありえない」と思うのは早計です。相場全体が悪材料に反応しているときや、セクターのテーマが崩れた時は、値上がり率銘柄上位も一斉に下落することがあります。
たとえば、マザーズ市場が崩れた際には、前日上昇していた銘柄も含めて全面安になることがあります。市場全体の地合いやセクターの流れを見ることは非常に重要です。
改善すべきポイントと戦略例
この手法を改善するには以下のような工夫が有効です。
- 購入時には必ず「損切りライン」を決めておく
- 銘柄選定の際、出来高や板の厚さもチェック
- 全体相場のトレンドを確認してから参入
- 利確ルールを明確に設定し、欲張らない
例えば、TOP10から出来高の多い3〜5銘柄を選び、テクニカル分析(5分足や移動平均線)でエントリーポイントを判断。エントリー後に2〜3%の利確・1.5%の損切りをルール化するなど、明確な指標に従うことで安定感が増します。
初心者におすすめの練習方法
まずは本番前に、証券会社のデモトレードや少額での取引で練習することをおすすめします。また、トレード記録をノートに取り、自分の癖や傾向を把握することも重要です。
実際のトレーダーのブログやSNSを参考にしたり、書籍でテクニカル分析やメンタル管理を学ぶことで、失敗を減らすことができます。
まとめ:運任せの分散ではなく戦略的な分散を
ランキング銘柄を分散して買う手法は、表面的にはリスクを抑えているように見えますが、実際には損切りルールや市場環境の把握がなければ、損失を膨らませてしまう可能性があります。
トレードは「買って放置」ではなく「買い方・売り方・撤退のタイミング」までを含めた戦略が重要です。しっかりとルールを設けたうえで、相場に臨むよう心がけましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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