債券投資に関心がある方や、政治経済を学んでいる学生にとって、「債券価格が下がると利回りが上がる」という関係は、一見すると逆の動きで不思議に感じるかもしれません。この記事では、その理由をわかりやすく説明し、日常生活の例を交えて理解を深めていきます。
そもそも債券とは何か?
債券とは、企業や政府が資金調達のために発行する「借用証書」のようなものです。投資家は債券を購入することで、一定期間後に元本が返ってくるとともに、あらかじめ定められた利息(クーポン)を受け取ります。
たとえば、額面10万円の債券で毎年1万円の利息を5年間受け取れる場合、この利息の割合が「表面利率(クーポンレート)」となります。ここでは表面利率10%です。
利回りとは?債券の利益の見方
利回りとは、投資家が債券を買った価格に対して、どれくらいの利益が得られるかを示す指標です。例えば、表面利率が同じ10%でも、債券価格が安く買えれば実質的な利回りは高くなります。
利回り(%)= 年間利息 ÷ 債券の購入価格 × 100
額面10万円、年1万円の利息がある債券を9万円で購入すれば、利回りは約11.1%になります。
なぜ債券価格が下がると利回りが上がるのか
債券価格と利回りは反比例の関係にあります。価格が下がると、同じ金額の利息を得ても、購入価格に対する利益の割合が大きくなるため、利回りが上がるのです。
たとえば、次のように考えてみましょう。
- 額面:10万円
- 年利息:1万円
この債券を10万円で買えば利回りは10%。しかし、もし市場で債券価格が8万円に下がれば、同じ1万円の利息でも、利回りは12.5%になります。
実生活にたとえて理解しよう
債券と利回りの関係を、たとえば「定期券」にたとえると理解しやすくなります。ある区間の電車の定期券が1ヶ月1万円だったのに、何らかの理由で8000円に値下げされたとします。同じ距離を移動できるなら、8000円で買ったほうが「お得」ですよね?債券でも同じで、安く買えるなら、それだけで利息分の「利回り」が高くなるのです。
なぜ価格が変動するのか?市場の動きと金利の影響
債券の価格は、市場の金利や景気見通しなどによって変動します。たとえば、市場金利が上昇すると、新しく発行される債券の利率も高くなります。すると、既存の低利の債券は「魅力が薄い」と判断されて価格が下落するのです。
このように、金利や景気の変化に応じて、債券価格と利回りのバランスが調整されていきます。
まとめ
債券価格が下がると利回りが上がる理由は、「購入価格が下がることで、固定された利息が相対的に高くなる」からです。この関係は、債券市場を理解するうえで非常に重要なポイントです。高校生であっても、身近な例に置き換えることで、経済のしくみをより深く理解することができるようになります。
今後も政治経済の学習に役立つ記事を随時更新していきますので、ぜひチェックしてみてください。

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