エッジワースボックスで理解する競争均衡と相対価格の求め方|経済学の基本を図解で解説

経済、景気

経済学のミクロ理論において、エッジワースボックスは2人の経済主体(消費者や生産者)間の資源配分や取引の過程を視覚的に表現するための強力なツールです。特に「競争均衡」と「相対価格」の関係を把握する上で非常に役立ちます。この記事では、エッジワースボックスの基本から、相対価格の計算までを具体例とともに丁寧に解説します。

エッジワースボックスとは何か?

エッジワースボックスは、2財2人の経済における資源配分を示すための図です。縦軸と横軸はそれぞれ2つの財の量を表し、左下と右上を起点にそれぞれの消費者の無差別曲線を描いていきます。

このボックスの中で、2人の無差別曲線が接する点が「パレート効率的」な資源配分であり、そのうち市場で実現するものが「競争均衡」です。

競争均衡とは何か?

競争均衡とは、各消費者が予算制約のもとで効用を最大化し、市場がクリア(需要=供給)している状態を指します。エッジワースボックスでは、2人の無差別曲線が接し、かつ価格線と接している点で表現されます。

価格線の傾きが、財1と財2の相対価格を示しており、この傾きに基づいて需要と供給が一致していれば競争均衡が成立しているといえます。

相対価格の定義とその意味

相対価格とは、ある財と別の財の交換比率のことです。たとえば、財1を財2の3倍の価値とみなすなら、相対価格は3となります。

エッジワースボックスにおいては、価格線(予算制約線)の傾きがこの相対価格を表し、「効用の限界代替率(MRS)」と一致する点が競争均衡点になります。

競争均衡における相対価格の求め方

以下のステップで相対価格を求めることができます。

  1. 各消費者の効用関数から限界効用(MU)を求める。
  2. 限界代替率(MRS)= MU₁ / MU₂ をそれぞれ計算する。
  3. 均衡点では、2人のMRSが等しいため、MRSA = MRSB が成り立つ。
  4. このMRSの値が、相対価格となります。

例として、消費者Aの効用関数がUA(x,y)=x・yであれば、MUx=y, MUy=xなのでMRS=x/yです。

数値例:相対価格を求める具体的なケース

消費者A: UA(x,y)=x・y、消費者B: UB(x,y)=x²y
初期保有:A(4,6), B(6,4)

効用最大化により、AのMRS = y/x、BのMRS = 2y/x が出たとします。市場均衡ではMRSA = MRSB より、
y/x = 2y/x → 矛盾がないよう調整して接点を求めます。

最終的にMRSが両者で一致する価格線の傾きが、相対価格(px/pyです。

まとめ:エッジワースボックスで理解する価格メカニズム

エッジワースボックスは、視覚的に相対価格や競争均衡を理解するための強力なフレームワークです。
相対価格は、両者の限界代替率(MRS)が一致する点で決まり、市場均衡を支える重要な概念です。

経済学の基礎を深く理解したい方にとって、このような図を活用した学習法は非常に有効です。ぜひ、自分でも実際にグラフを描いて確認してみましょう。

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