新しいNISA制度が始まり、これまで定期預金などで資産を保有していた方も「一括投資」に関心を持つ機会が増えています。特に、SBI証券などを通じて毎月積み立てを続けている方が、余剰資金をどう活用するかは非常に重要なテーマです。本記事では、成長投資枠と積立投資枠の仕組み、そして500万円を活用する場合のポイントをわかりやすく解説します。
新NISA制度の基本構造:2つの投資枠
新NISAでは「成長投資枠(年間240万円)」と「つみたて投資枠(年間120万円)」の2つが用意されており、合計年間360万円まで非課税で投資することができます。
この非課税投資枠は毎年更新され、最大1,800万円まで積み立て可能(うち成長投資枠は1,200万円が上限)です。ただし、売却によって非課税枠は復活しないため、限られた上限内での戦略が必要になります。
一括投資は「年ごと」に完結する仕組み
成長投資枠で240万円を一括で投資した場合、それは「その年」の非課税枠を使い切ったことになります。翌年には再度240万円分の成長投資枠が復活するため、500万円を分割して2年間に分けて一括投資すれば、計480万円を非課税で運用することが可能です。
ただし、使い切った枠は復元されません。たとえば、2025年に240万円を一括投資すれば、2025年の成長投資枠はその時点で終了です。2026年になれば、再び240万円の新たな枠が付与されます。
積立投資枠との併用も可能
月々の積立(例えば月10万円)を続けている場合、それはつみたて投資枠であり、年間で最大120万円まで利用できます。成長投資枠とは別管理されており、たとえば同じ年に積立120万円+一括投資240万円=360万円まで非課税投資が可能です。
つまり、「一括投資を選んだら積立ができなくなる」わけではありません。両方を並行して運用できる柔軟な仕組みとなっています。
500万円を有効活用するための戦略
仮に500万円の定期預金をNISAに移行したい場合、2年間にわたり毎年240万円を成長投資枠で運用することが考えられます。残り20万円については、つみたて投資枠と合わせて年間360万円以内におさめれば、非課税で最大限の活用が可能です。
以下のように振り分けることもできます。
年 | 成長投資枠 | つみたて枠 | 年間合計 |
---|---|---|---|
2025年 | 240万円 | 120万円 | 360万円 |
2026年 | 240万円 | 残額使用または継続積立 | 最大360万円 |
注意点:一括投資とリスク分散
一括での投資は購入タイミングによる価格変動リスクがあるため、可能であれば数回に分ける「時間分散」も検討すべきです。とくに新NISAは長期運用を前提にした制度であるため、短期的な価格の上下に一喜一憂しない戦略が重要です。
すべての非課税枠は「使い切り型」であるという点を念頭に、売却しても再利用はできないことに注意しましょう。
まとめ:非課税枠の正しい理解で有利に運用を
新NISA制度は、年間ごとに枠が付与される仕組みであるため、一括投資しても翌年に新たな非課税枠が利用できます。500万円を上手に分割しながら、成長投資枠と積立投資枠をフル活用すれば、最大限の非課税メリットを享受できます。
将来の資産形成を見据えて、制度の仕組みを正しく理解したうえで計画的に活用していきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント